ふたりの彼。玩具の私
ふたりの彼。玩具の私
成人向完結
発行者:C.B
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2010/12/07
最終更新日:---

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ふたりの彼。玩具の私 第1章 ふたりの彼。玩具の私

 葬儀の日、ユタカの母親から、
「息子はいつもいつも、あなたのこと気にかけてて…」
 と言われ、泣くまいと必死で我慢していた私は、彼女の胸で泣いていた。泣いても、泣いても止め処なく悲しみが溢れ、おかー様とふたりでわんわん泣いた…。もっと早く結婚していれば良かったと後悔していた。でも、彼らがそれを許してくれなかった…。
『すぐバツイチになるかもなのに…。今から相手探しに行こか? 娘を嫁に出す心境がわかる。ハハッ』
『僕らは踏み台。そうそう、踏み台。もすこし強めでぇ』
 彼らの軽口が聞こえる…。
 火葬場から駅まで、タクシーに乗り合い、おかー様とお別れするとき、手編みのセーターを差し出された。
「これ、ユタカが子供の頃に作ってあげた物なの。でも、この刺繍したアップリケが女みたいだって。着てくれなかったの…」
 と、おかー様は話してくれた。それでも、よければといただき、二枚のセーターを手にした私は、子供時代の彼を想像し。クスッと笑ってしまった。
「ミィナさん。そうよ。そう、笑って。ねっ」
 肩をを抱かれ、ユタカの母のせいいっぱいの言葉は、とても心強く勇気も貰えたような気がした。
『僕は空気になる! 君の空気に…』
 薬指で、ふたつの同じリングが輝いていた。
「あの子。双子だったの知ってるわよね? 兄の方は死産しちゃって…。だから、二枚。同じセーターが二枚…」
『!!』「…か、彼から聞いたことが無かったから… 少し驚いてます…」
 私は、息を飲んで答え、おかー様を見つめていた…。
「そうなの…。息子は自分が、もう一人の”生”を吸い取ったなんて言って。随分悩んでいた時期もあったわねぇ…。もちろん子供の頃の話だけど…」

『ユタカは双子…だった…』

 もう一度ハグされ。おかー様を改札で見送ると、横のベンチに腰掛けてしまったミィナ。うつむく彼女の髪を風が揺らすと、顔が曇って見えていた…。
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