ふたりの彼。玩具の私
第1章 ふたりの彼。玩具の私
ミィナは、そそくさと身支度し、出入り口の脇にある、出先用パネルに”禿げ!打ち合わせ!”続けて、急用直帰と書き連ね、ペンを元の所へ放り会社を後にした。
『デートするの久しぶり~ ワクワクしちゃう♪ でも、どっちが来る? まさか3人!?』
エスカレーターから一階へ降りると、大通りの向こうに広い公園が広がっていて、青々した草木が目に飛び込んできた。地下鉄への入り口はすぐそこにあったが、彼女は歩道橋を渡り、公園を突っ切った先にある別の入り口を目指した。
『このベンチで告白されたんだよ~嬉しかったなぁ。私がここでいつもお昼食べてるの知ってって。素直にストレートに言われて、キスまでされちゃった~。アハ。あの時のことを思うと、今でも心がいっぱいになってしまう…
でも。でも。でも… 思い出になってしまうの?』
急に走り出したミィナに、そこここにいる鳩たちが驚き、一斉にバタバタと
飛んで行った。
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