ふたりの彼。玩具の私
第1章 ふたりの彼。玩具の私
ユタカのドッペルゲンガーが、どうして現れたのか分かるはずもなく。誰にも相談できない、眉唾のような現実が目の前で、本を読み漁っている。
3人で必死に調べても、オカルトじみた話を詳しく紹介する文献などなく、そもそもただの民間伝承。
恐怖夜話のように扱われた都市伝説に過ぎない…。
でも、たったひとつ。
分かったことがあった。
どの本にも、
ネットの検索でも一様に…、
最悪の結末が用意されていることを…。
『うそ…』
『まいったな…』
『おぃおぃ。ほんとかよ…』
3人は頭を抱えた。
”もう一人の自分(ドッペルゲンガー)を見た者は死ぬ”
『でも、その先… どっちかが、死んだあとはどうなる?』
『二人とも死ぬのか?
ドッペルは残るのか??
もし、そうなったら本体とすげ替わるってことか?』
『その時が来ないと分からないよ…』
ひそひそと小声で話す彼ら。
「その時なんて言わないで!」
私は声を荒げ、周りの人の注目を浴びてしまい、三人は一様に顔を曇らせていた…。
『もし、ユタカが二人とも消えてしまうとしたら…
自分も生きていけない…』
私は真剣にそう思っていた…。
混乱したまま子供が読むような本ばかりが山積みされている机に、
「わたしこの本読んだよー 怖かったー」
小さな女の子が指をさしていた。
「だから、おまえはガキなんだよ。そんな本全部作り話~ 迷信だよー 怖がりめ」
おにーちゃんらしき男の子に、
「おばちゃんたち子供?」
軽口を叩かれる始末…。
私はおばさんって言われたことに、顔を引きつらせていたが、無理に作った笑顔で、
『私も怖い… 君たち知ってる? ここに載ってるお話の一つは本当の出来事なのよ』
と、心で言い返していた…。
本を読むまではもう一人の自分が、自分たち?自分?の為に頑張ってくれる。
ドッペルゲンガーも悪くないと思っていたけど、二人暮しだった生活に支障がない訳ではない…
むしろ逆。危ないケースばかりだった。
ひとりが家に残ってくれればまぁ問題は少なくなるんだけど、
誰だって息抜きくらいはしないとストレスが溜まっていく。
と言うか、ドッペルゲンガーってそもそも人間?
何も分からなかったけど、
「今度は俺の番だろう?」
「お前はおととい買い物いっただろー ちゃんとメモ見ろよ」
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