隣の部屋は可愛い彼女。
第1章 学園のアイドル 相原真琴!
放課後。
「赤井、お前、授業中ずっと相原見てただろ?好きなの?」
前席の谷川が、ニヤけた顔で俺を見る。
ちなみに、こいつは俺の数少ない悪友で、
ただのエロ魔人だ。
「あ? 可愛いから見てただけだろ。 文句あんのか?」
「いや、一般的にそういうのを、好きって言うんだろ。」
面倒なので、「そうかい」と告げて、さっさと帰り支度をする。
そして「一緒に帰ろうぜ」と誘う谷川を振りきり、
下駄箱で靴を履き替える。
野郎同士で帰宅ってやばいだろ?
ま、彼女出来た事ねえけど・・・。
そのまま歩いていると、ふと何かの鳴き声に気付く。
「にゃ~~~にゃ~~~」
猫・・・・・?
俺は、勝手に硬派を気取ってはいるが、猫が大好きだった。
鳴き声がした方を探す・・・・。
居た。
シマシマの虎猫。しかも子猫が。
無性に抱きかかえたい衝動にかられ、注意深く辺りを見廻す。
よしっ、誰も見てないな。
すかさずダッシュする俺。
子猫は逃げずに、そんな俺を見つめ「にゃ~」と一鳴き。
しかし、もうちょっとで捕まえる・・・というところで、逃げられてしまう。
そしてそのまま、体育館の方までトコトコと走って行く。
もちろん俺は後を追いかけるが、なかなか止まってくれず、
捕まえた頃には、体育館裏の方まで来てしまっていた。
既に猫は俺の腕の中・・・。
喉を掻いてやると『ゴロゴロ・・』と嬉しそうに目を細めている。
お腹空いてるかな・・・?
昼のパンの残りがあるが、子猫だからミルクか・・・。
と、思案している俺の目先にある光景が写った。
人気の無い体育館裏で、男の子と女の子が、なにやらモジモジとしている。
!!!!!
思わず、建物を背に隠れる俺―――
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