隣の部屋は可愛い彼女。
第2章 ドキドキ日曜日
俺は自室に戻り、猫と戯れていた。
この子猫は、そう、あの時の虎猫。
結局、そのまま連れて帰ってきてしまった。
だって、そのまま見捨てられないだろ、可哀相だし。
しかし、部屋は酷い状態だった。
猫を飼うのは慣れていたが、畳で爪を掻いたり、紙や特にダンボールが大好きで、粉々になるまで噛んだり引っ掻いたりと散々やってくれる。
畳や柱は、どうせボロアパートだし問題ないと思うが、片付ける俺の身にもなってくれよ。
とは思うが、「にゃ~ん」と擦り寄ってくる子猫。
その愛くるしい姿に全てを許してしまう。
ま、トイレだけはしっかり用意した砂の上でするから、良しとするか。
気を取り直して掃除でもしようと思い、押入れを開ける。
そしてふと、奥の壁が気になった。
押入れのちょうど真ん中に柱があるが、木製の為、やせて隙間が出来てしまっている。
近づくと、1センチ程の隙間が、縦に3センチ位続いている。
「こんなだから、隣の物音が聞こえるんだよ・・・。」
何かで埋めてやろうかと考えて、さらに気付く。
柱の向こう、その先の壁も崩れているようだ。
覗いてみると、
と、隣の部屋が見える・・・・。
そこには、女の子座りをした相原が、ダンボールをガサゴソしている姿・・・。
お、おい・・・これは・・・。
どうしたもんかと思いつつ、目を放せない俺。
すると立ち上がり、視界から消える相原。
俺も離れようかと思ったが、すぐに戻ってくる。
そして、おもむろにその黒い靴下を脱ぎだす・・・。
え? ちょっと待て・・・。
ドキドキしてしまう俺。
しかし、脱いだのは靴下だけだった。
再び女の子座りをして、なにやら靴下をぷらぷらさせている相原。
そして――――――
その匂いを嗅いだ。
くんくん・・・。
その後、ポイっと投げ出される靴下。
俺は、靴下を凝視していた。
に、匂うのかな・・・。
あんな可愛い美少女でも、靴下は臭くなるんだろうか。
靴下の事で頭がいっぱいになる俺。
そしてその靴下を手にとって確かめたい衝動が湧いてくる。
・・・・・・・。
しばらくして、ハッと我に返る。
俺、何をしてるんだ・・・。
覗きだぞこれは。
立派な犯罪だろ。
しかし、その隙間が気になって仕方がない俺だった――――
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