隣の部屋は可愛い彼女。
第2章 ドキドキ日曜日
いかんいかん。
頭を振って我に返る。
ここで硬派なイメージを崩すわけにはいかない。
「そ、それは・・・知らねえけど・・・俺は別に・・・。」
「でもぉ~、この前、膝枕で興奮してたじゃない・・・。」
うつむきながら、指と指をつんつんして話す相原。
げ! こいつ、覚えてやがるし・・・・。
相原って、思った事、ポンポン口にするんだな。
しかも、少し顔が赤いし・・・・。
って! あれを思い出してんじゃねえだろうな。
勘弁してくれよ~~。
その後も「絶対好きなくせにぃ」と、意志を曲げない相原を横目に、仕方なく買い物を手伝う俺。
しかし・・もてる子って、やっぱりみんな、こういう事考えてるんだろうか。
周りの視線に気付いて、自分の事好きなんだなって。
いや、視線に敏感になるのか?
もてない俺には解らんが・・・。
改めて、相原が高嶺の花だという事を、認識させられた気がした。
結局、テーブルと折りたたみのベッド。後、ちょっとした棚を買って終了。
当然、手では運べないのでリヤカーを借りる俺達。
ホームセンターって、こんなサービスもあるんだな。
優しい店員さんに感謝する。
しかし、リヤカー引きはもちろん俺。
なぜこんな事まで・・・と思ったが、
「赤井君が居てくれて助かったぁ~~」
と、両手を広げてピョンピョンする姿を見ては、嫌な顔が出来るはずもない。
まあ近いしな。
その後、部屋に買った物を運び入れ、リヤカーを返しに行き、再びアパートへ。
「ぜ~~~、は~~~、さすがに疲れた・・。」
相原の部屋に入ると、なにやら棚と格闘しているご様子。
買った物がダンボールから全部出され、そこらじゅうに散乱している。
「う~~ん。これどうなってるのかなぁ~。この部品ってなに?」
どうやら、組み立て方が解らないらしい。
しかも色々ごちゃ混ぜにしてんじゃねえよ。
どれがどのパーツか、分かんねえだろうが。
しかし、こんな簡単なものが出来ないなんて、女の子って可愛いよな。
仕方ないので、
「貸してみろ」と握っていたドライバーを受け取る。
そして、一応説明書を見ながら組み立てる。
「わぁ~、赤井君ってやっぱり頼りになるねぇ~~。」
何気なく言ったつもりだろうが、そんな一言で俄然頑張る俺。
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