タイはトロリと甘いマンゴーの味第2話:バツイチ黒豹は飢えていた(無修正版)
タイはトロリと甘いマンゴーの味第2話:バツイチ黒豹は飢えていた(無修正版)
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発行者:カドー
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ジャンル:恋愛
シリーズ:タイはトロリと甘いマンゴーの味

公開開始日:2015/12/31
最終更新日:---

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タイはトロリと甘いマンゴーの味第2話:バツイチ黒豹は飢えていた(無修正版) 第14章 黒豹が豹変した
男と二人きりになり、どうすればいいか分からなくなったらしい黒ヒョウは、モップで部屋の大掃除をやり出し、いつまでも終わらない。

そろそろ止めてやらないと可哀想だ。

「オン、掃除はもういいから、こっちおいで」

ホッとしたように掃除の手を止めたオンが、モップを持ったまま聞く。

「何するの」

「ここに座って」

「座って何するの」

「話をしよう」

「あなた、軽い男じゃないと言ったでショ」

そう来たか。

訪問許可を取りつけた日の、「俺はそんなに軽い男じゃない」という、苦しまぎれのセリフをよく覚えていたものだ。やはりこれが女心というものか。

電話番号を聞き出すときもそうだったが、私はハスッパな女じゃないということを、どこまでも強調したいらしい。

だがここが最後の関門だ。ヘタに答えると口頭試問に落ちて、黒ヒョウはまた大掃除を再開するだろう。モップを持ったままなのが、その証拠だ。

そうなると、スゴスゴと帰るしかない。今日の収穫は、留守番のときに盗み見た黒ヒョウの持ち物と、片付けのときに、背中でチラリと見せられた腰の物だけとなる。

ここまで来てそれだけで帰るのでは、ヘビの生なんとかだ。ここは答えどころだ。


「オンには本気になったから」(これでどうだ!?)

「本気なの?」

「そうだよ」

ここで、パチンとスイッチが入ったようだ。黒ヒョウが文字通り豹変した。

これまでは、借りてきたネコのようにおとなしかったのが、本物の黒ヒョウになった。

モップを投げ捨て、

「本気なら〇〇しろ」

いきなり命令してきたのだ。

その命令はお安いご用で、パッパッと数秒で出来ることではあるが、これまでにこんな場面で女の方から言われたことはなかったので、驚いた。

いよいよ黒ヒョウが本性を表したのだ。このあとは、餓えたバツイチ黒ヒョウの独壇場となる。

黒ヒョウ狩りに来たつもりが、私は返り討ちに会ってしまうのだ。
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