タイはトロリと甘いマンゴーの味第2話:バツイチ黒豹は飢えていた(無修正版)
第13章 黒豹と二人きりになる
飯は食い終わったし、次にやることはあれだけだ。
だが邪魔者メイのおしゃべりが一向にやまない。
一体いつまでいるつもりか。メイがしゃべり疲れて帰るまで、こっちは待つしかないのか。
イライラしだした頃、メイのケータイが鳴った。
タイ語で何やら話をして、電話を切ると、
「妹(またはお姉さん)が来るから、帰らなくちゃ」
という。
天の助けとはこのことだ。
妹かお姉さんか知らないが、よくぞ、このタイミングで来てくださいました。ありがとうございます!
さあ、これで邪魔者はいなくなった。やっと最後の段階に到達したぞ!
うるさいメイがいなくなると、途端にシンとなる。
オンは、床の鍋や残り物を片づけはじめた。
こっちに背を向けてしゃがむ度に、白いTシャツの裾が持ち上がり、シーンズとの間に背中が露出する。
さっきはメイの目が気になって凝視できなかったが、今は見放題だ。
露出した背中の下の方に目を移すと、ふだんはシーンズの中に隠れている、腰の物がチラリと見えた。色は黒だ。
留守番している間に引き出しの中で見つけた、小さく畳まれていたのと同じ物だ。
今は大きく広げられ、はちきれそうな中味が入って、息づいている。ナマのあれだ。
床の物が全部片付くと、オンはモップを持ってきて、鍋料理で出来た汚れを拭きはじめた。
私はやることもないので、邪魔にならない場所に座り込み、じっと眺める。
モップがツーと通ったあとにジーンズのヒップが続き、これが何回も目の前を行ったり来たりする。
「飯は終わったから帰れ」とは言わないから、どうやら飯だけではないという、暗黙の合意は得られたようだ。
今は、これからどうやってはじめるのか、お互いの出方を探っている段階ということなのだろう。
こっちは、オンがしゃがむ度に見せられた例のナマ物のおかげで、もう戦闘状態だ。
オンは床の汚れを拭き終わったあと、今度は部屋を隅から隅まで拭きはじめた。
そんなことは、別に今やることではない。
ははーん、こんな状況に慣れてないな。どうやら男遊びを覚えずに、初めての男とそのまま結婚して、別れたのか。
こんな状況でどうすればいいのか、わからなくなってしまったようだ。
このままでは、誰か止めてやらないと、一晩中モップで床を拭きつづけるだろう。
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