タイはトロリと甘いマンゴーの味第2話:バツイチ黒豹は飢えていた(無修正版)
タイはトロリと甘いマンゴーの味第2話:バツイチ黒豹は飢えていた(無修正版)
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発行者:カドー
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ジャンル:恋愛
シリーズ:タイはトロリと甘いマンゴーの味

公開開始日:2015/12/31
最終更新日:---

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タイはトロリと甘いマンゴーの味第2話:バツイチ黒豹は飢えていた(無修正版) 第7章 黒豹の部屋を訪ねて
黒ヒョウに言われた通りバイタクに乗ったのだが、人や車にぶつかりそうになるたびに何度も肝を冷やして、

(バイタクはもうコリゴリだな。帰りはタクシーにしよう)

いろいろ考えていたら、あっけなくバイタクが止まった。どうやら着いたようだ。

横丁の標識を見ると、たしかにオンの言った横丁だ。

バンコクはどの横丁(ソーイ)の入り口にも、必ずポールの先に青色の横丁標識があって、通りの名前とソーイ番号が書いてある。知らない町では、それだけが唯一の頼りだ。

まだガクガクしている足と、震える手で料金を払う。

バイタクの姿が消えると、あたりは急に静かになった。

横丁の入口には古びた木造の倉庫のような建物が視界をさえぎり、人通りはない。

すでに日も暮れて暗くなり、山の中に一人で置き去りにされたような気分だ。

オンがいないと、ここで野垂れ死にするしかないのかもと弱気になる。


ケータイを取り出し、

「着いたけど、これからどうすればいいの」

「奥まで歩いて来て、分かれ道を右。途中で会うから」

途中まで迎えに来てくれるようだ。

最悪の場合は、番地と部屋番号だけ告げられて、

「部屋まで自分で来い」

と言われるかとも思ったのだが、どうやらここまで来れば、本気度の試験には合格したということらしい。

これからは、それなりのちゃんとした扱いをしてくれるようだ。

だがまだオンだけが唯一の頼みの綱なので、電話は切らず、しゃべりながら歩く。

「まず右に曲がるんだよね」

「そう」

「ああ分かれ道があった。右に行くよ」

ソーイの入口は倉庫街だったが、奥に入ると家があり、明かりもあり、人の声も聞こえて、普通の町だ。

ようやく安心する。

「右に曲がったよ。そのまま歩いてる」

「あ、あなたが見える!」

何かの店の前らしい、そこだけ特に明るい場所で手を振っている女がいる。

私は目が悪いので顔はよく見えないが、どうやらオンらしい。

異国の知らない町で知り合いに会うとは、こんなに心強いことなのか。オンが仏様に見えた。

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