タイはトロリと甘いマンゴーの味第2話:バツイチ黒豹は飢えていた(無修正版)
タイはトロリと甘いマンゴーの味第2話:バツイチ黒豹は飢えていた(無修正版)
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発行者:カドー
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛
シリーズ:タイはトロリと甘いマンゴーの味

公開開始日:2015/12/31
最終更新日:---

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タイはトロリと甘いマンゴーの味第2話:バツイチ黒豹は飢えていた(無修正版) 第5章 黒豹の部屋に行きたい
電話番号を聞き出して、さらに一人暮らしまで聞き出したら、次にやることは決まっている。

店で、

「休みの日に部屋に行ってもいい?」

と聞いてみた。

今度も電話番号のときと同様に、理由を聞かれるかと身構えたが、オンの返事はあっけなく、

「おいでよ!」

だった。

ええっ、こんなに簡単にOKしていいのか?

今度はこっちがどぎまぎする番だ。すっかりうろたえて、

「言っとくけど、遊びにいくだけだから」

聞かれてもいない弁解をはじめていた。

「誤解するなよ」

「俺はそんなに軽い男じゃないから」

さすがにこれには笑われたが、次の休みの日を聞き、しっかり約束を取り付けた。


さてその日が来て、体をすみずみまで清め、オンの部屋に向かう。

場所はまったく知らないのだが、ケータイで聞きながら行けば、なんとかなるだろう。

電車の駅名は聞いていたので、まず電車に乗った。

バンコク市内を縦横に走る高架電車だ。

地下鉄と組み合わせれば、バンコクのたいていの場所には行けるようになっている。

電車は中心部に向かうので、混んでいた。混んだままバンコク中心部のサヤーム駅まで行き、別の路線に乗り換える。

やって来た電車はバンコクの周辺部に向かうので、スカスカだった。

繁華街を通りぬけ、チャオプラヤー川の広大な茶色の流れを一気に渡る。

聞いていた見知らぬ駅で電車を降りた。勝手がわからずウロウロ歩いていると、地元の客にどんどん追いぬかれる。

ウロウロしながら出口を探すと、この駅には出口が4つあるようだ。

全然違う方に出てもよくないので、オンに電話で聞くと、どの出口でもいいという。

日本的な感覚では一番近い出口を教えてくれるはずだが、ここはタイだ。

どこから出ても、(時間はかかるだろうが)いつかは必ず行けるのだから、そんなに細かいことは気にしないらしい。

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