タイはトロリと甘いマンゴーの味第1話:はじめての女は短髪ノイ(無修正版)
第10章 テーブルの下は別世界
テーブルの上ではお互いに何事もないような顔をしていたが、照明が暗い店をいいことに、テーブルの下は別世界だった。
手がスカートの中に入り、パンティに到達しようとしている。
南国の女のパンティは、暑いからやはりごく薄い布地なんだろうな。
色もきっと、外装に合わせて白か、地味な色に違いない。
着用中のパンティは、暑さで発散される汗や、泉から立ち上る湿った空気で、しっとりしているかもしれないな。
到達したら、まず周辺を手さぐりして、さらなる侵入口を見つけよう。
どうだろう、侵入はさすがに許可されないかもしれないな。
だがノイの店では、自分から下草まで許してくれた。(4章参照)
上から侵入して、下草までならいいのかもしれない。
妄想が渦巻く。
最大の難関であるパンティの持ち主は、気付かないフリをしてくれているので、そっち方面の懸念はない。
だが問題は、周囲の目だ。
一番奥まで侵入すると、いくら暗くても、もし店員に近くに来られたら、気付かれる可能性がある。
店員は予告なく、飲み物の残量を確かめに来るのだ。
残念だが、ここには書けない、この柔らかい内側部分までが限界だ。
こんなところまで許してくれただけでも、ありがたいものだ。
涙をのんで、撤退を決意する。指先に柔らかい部分の感触を残したまま、手を引いた。
だがやはり物足りない。
ノイの手を取り、細い指先を口にした。
さっきのタクシーの中では運転手の目があるから出来なかったが、ここは暗いし、これくらいなら見られても大したことではないだろう。
大胆になり、ノイの指先の味を1本ずつ味わった。
紫色の地味なマニキュアも、控えめなところが、逆にかき立てる。
これも、なすがままにさせてくれた。
どんな要求も、何でも聞いてくれるかのようだ。
耳元に口を寄せて、ささやいた。
「部屋に来る?」
その時はじめて気づいたが、ノイの耳たぶに、見えるか見えないかの小さな銀色のピアスが光っていた。
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