そして僕はヒーローになった
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発行者:小川輝晃
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ジャンル:エッセイ・日記

公開開始日:2010/11/24
最終更新日:---

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そして僕はヒーローになった 第13章 あとがき
そしてあの時オランダに行ったと聞いた兄貴は、実はその前年に和太鼓倭という集団を立ち上げて、海外公演を行ってた。もちろん自費でだ。その後、何人かでお金を持ち寄りイギリスのエディンバラで毎年行われてるフリンジフェスティバルって演劇祭にも参加して現地の新聞すべてで五つ星を獲り、その後一ヶ月の公演が見事ソールドアウトになったそうだ。現在では世界45ヶ国以上に渡る世界でワールドツアーを行い、みんながそれだけで飯が喰える集団になってる。明日香村と組んで村興しのような催しを企画したり学校で教えたり、奈良県のためにも精力的に活動してるようだ。数年前には兄弟で久々に手を組み和太鼓と剣殺陣という「日本」をコラボレートしたユニットを立ち上げ、3ヶ月でヨーロッパ9カ国を回るツアーも行った。
時には兄貴の成功を妬んだりすることもあるけど、自分の歩く道を見つけあぐねて訪ねて来た麓郷で兄貴が僕にぽつりと言い残した言葉を思い出す。

「おまえがいるから俺も頑張れる。」

独りで何でもやって見せると家を飛び出し一匹狼を気取って集団に所属せずにはみ出してきたけど、きっとずっと独りじゃなかった。誰もがきっとそうなんだと思う。小西が今どうしてるかまったく知らないけど、あの時、小西がいてくれたから頑張れたんじゃないかって今は思うんだ。
いろんな人との関わりの中で融合したり、ぶつかったり火花を散らすことで新しい可能性が生まれるんじゃないかな。人生の転機っていう奴があるとすれば、僕にとっては間違いなくあの十日間だって言える。事実、あれから僕と兄貴の新たな運命が転がったしね。それは僕のせいだとか兄貴のお陰だとか、そんな類いの話じゃない。ただひとつ確かなのは、一歩足を踏み出さなきゃ先へは進めないってこと。出来るからやるとか、出来ないからやらないっていうんじゃなくて「やりたい」って気持ちが大切なんだ。
こんな簡単なことに気付くのに、またえらく遠回りをしたもんだって笑われるかも知れない。でもね、自分のペースでいいじゃない。これからだって、絶対この世界で生き抜いてやるんだとか息巻いて、みっともなく泣いてギャアギャア怒って、あらゆる人から呆れられたって走り回っているんだと思う。
これが僕で、僕の生き方だ。

「おまえがいるから俺も頑張れる。」
はっきり伝えたことはないけど、今は僕が勝手にそう思ってる。
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