俺と妹
第3章 捨て去った罪悪感
その日は夕方には両親が帰ってきて
俺たちはまるで何もなかったかのように
いつも通りの兄妹を振る舞った。
でも…俺の頭の中は
あいつに支配されてる。
忘れられる…わけがない。
あいつの…
あんな可愛いあいつの…
父)隆二どうした?
隆)え??
父)ボーッとしてるから。
隆)いや……
父)とりあえずな、大阪の仕事は
カタがついたんだけど
次は札幌になりそうだよ。
隆)北海道?
父)ああ。
隆)いつから?
父)来週から。
母さんもまた借りるよ。
隆)…わかった。
◇)また…二人ともいないんだ…
母)ごめんね?
家のこと、頼んだわね?
◇)はぁい…
今度はどれくらいいないんだろう…
どれくらい二人きりで
過ごさなきゃいけないんだろう…
俺…
耐えられるだろうか…
そんなことを考えながら
二階の自分の部屋に戻る。
飯食ってても
風呂に入ってても
頭の中はあいつのことばかり…
脳が興奮して…眠れるわけがない。
ああ…
幸せだったあの時間が夢みたいだ。
今朝まで…このベッドで…一緒に……
確かに俺の腕の中に…いたのに…
15