『ノンフィクション・中年男の美少女会遇記』  Vol.1 初体験19歳女子大生との邂逅
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発行者:草薙 良
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ジャンル:恋愛
シリーズ:『ノンフィクション・中年男の美少女会遇記』

公開開始日:2015/10/05
最終更新日:---

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『ノンフィクション・中年男の美少女会遇記』 Vol.1 初体験19歳女子大生との邂逅 第16章 破局


ところがこれほど燃え上がった二人であったのに、思えばこの日を境に彼女との仲に微妙な亀裂が生じていったのでした。

正確には私の彼女への思いは変わることがなくむしろ募る一方でしたが、彼女のほうに変化が生じ始めていたのでした。

もっとも、その原因となったのが他でもない、この私だったのです。

私は人一倍独占欲が強く、この性格が災いして失敗することが多く、それを自身でも重々分っていながら、どうしても我慢ならずこれまで同じ失敗を繰り返していました。

この兆候は相手のことを好きになればなるほど強くなり、ちょうど果歩の場合がそうでした。

彼女を家まで車で送り届けた次の週末もその次も彼女とデートを重ねていましたが、その3週後の週末のこと、デートを約束したその前日に彼女からメールがあり、楽しみにしていたデートがキャンセルになったことがありました。

その理由が、友達にコンサートに誘われたからということで、その理由を聞いて私は猛烈な怒りを覚えましたが、それをそのまま相手にぶつけるのは大人気ないと、湧き上がる怒りを抑えたのですが、我慢した分そのストレスが溜まり、その週はそのことで頭がいっぱいで仕事にも影響するほどでした。

私が最も怒った最大の理由が彼女が自分とのことを最優先しなかったからでした。

早くから中止が決まっていたとしても不服であるところ、デートの直前で中止を告げられ、その理由が極めて軽いものだったのでその憤懣はかなりのウェイトで私の中に溜まっていきました。

しかしその次の週は「先週はごめんね」という彼女の謝罪もあり、ベッドでもこれまでと何ら変わらない彼女を見て気を取り直したのですが、決して完全に払拭されていたわけではなく、心の片隅にしこりとなって残っていました。

ところがこれまではほぼ毎週のように会っていたのが、その頃から彼女のほうからキャンセルすることが多くなり、私の中のしこりが徐々に膨らんでいきました。

(以前は俺の誘いを断ったことなどなかったのに、最近は月に1回は断るようになってきた。もう俺のことを彼女はうとましく感じるようになったのだろうか?)


彼女への疑心が募り、そのフラストレーションは高まるばかりでしたが、これは彼女と別れる時になり、その時に彼女から告げられたことで分ったのですが、決して彼女の私への思いが冷めたわけではなく、そもそも出発点からお互いのスタンスが異なっており、それに私が気づかなかっただけだったのです。

しかしそれは後になって分かったことで、その頃の私は常にそのしこりを抱えており、いつそれが爆発するか分らない状態になっていました。

そしてついにそれが爆発して、破局を迎えたのでした。

それは彼女と付き合って3ヶ月が経過した、ちょうど年が明けた正月のことでした。
彼女と初めて迎える新年に二人で初詣を計画していました。

妻帯者の私ですからさすがに3日間は無理でしたが、正月4日がその年の初デートの予定でした。



彼女と付き合い始めた初期と比べればデートの回数は減ったものの、会っている時の彼女には何の変化も無く、いやむしろ付き合い始めた頃以上に激しく燃えるようになり、セックスにおいても彼女のほうから仕掛けてくることも多くなっており、彼女に対して抱いていた一抹の不審感は杞憂であったのではとすら感じるようになっており、新しい年を迎えるタイミングでもあり、心機一転気を取り直して彼女と再出発しようとした矢先のことでした。

そういった意味で新年の4日は私にとって重要な意味を持っており、その前日の3日に私は朝からラブメールを彼女に送りました。


「果歩ちゃん、果歩ちゃんと知り合って3ヶ月になるけど、いつも俺の頭の中は果歩ちゃんのことでいっぱいで、果歩ちゃんと抱き合っているシーンが頭に焼き付いていてね。けど俺は果歩ちゃんのことを束縛するつもりはないんで。年も新しくなるし、心機一転で来年も目いっぱい愛し合いたいな。それじゃあ明日楽しみにしてるんで」


翌日のデートに備えてのメールだったのですが、彼女からその返事はなく、私は苛立ちを募らせていました。

そして彼女からようやく返事が届いたのは夜の10時を回っていました。


「ごめんなさい、今日出かけてたけど、携帯忘れちゃって」

「そうやったん、一向に返事ないんでおかしいなと思ってた」

「それでね良さん、私今日出先でカニ食べたんだけど、どうもあたったみたいでもどしちゃって。明日の初詣いけそうになくて。ごめんなさい」


私は愕然としましたが、他の理由ならともかく体の不調は致し方ないとあきらめはしたものの、しかし明日の4日は私にとって重要であったことと、事情は分かったものの今日1日彼女からの返事が無かったことで、私の心中は穏やかではありませんでした。

そしてここから破局に向けて進んでいったのでした。


「食中毒じゃ仕方ないね、それじゃあ今度の日曜日は?」

「分からない」


彼女のその短い返事に、遂にそれまで溜まっていたものが爆発してしまったのです。

もっとも鶏か卵かの問答になりますが、これまでの鬱憤が溜まっていたこともあり、仮にも食中毒でもどして苦しんでいる相手にねぎらいの言葉もなく「仕方ない」というのは思いやりのかけらもなく、ましてもうその次のデートを要求したのですから、彼女が気分を害するのは当然で、その表れが「分からない」という素っ気ない返事にあらわれていたのでした。

しかし私にしてみれば、いかなる理由があったにせよ直前になって約束を反故にしたのだから、その謝意の意味でも自分のほうからその埋め合わせを提案するくらいであってほしいのに、それもすることなく私の要求に対して素っ気ない返答であったことが我慢ならず、怒り心頭になっていました。


「分からないってどういうこと? 何か予定があるの?」

「そうじゃなくて、今は来週のことまで分からないから」


この彼女の返事で私は完全に切れてしまいました。

その後はお互い非難の応酬となり、最悪の結末を迎えることになってしまったのです。

後になって、いかに自分が馬鹿であったか、40を過ぎたいい大人が19歳の少女相手に子供のような喧嘩をしたことが悔やまれてなりませんでしたが、もう修復は不可能でした。


その時の別れる決定打になったのが彼女が発した一言でした。


「良さんとは割り切った関係でしょ、それなのに何でそんなに私を束縛するの?」


この一言は心底こたえました。

これまで彼女と濃厚に肌を合わせた3ヶ月間が粉々に崩れ落ちたような心境に陥り、もうメールを交す気力も失せていました。

確かに冷静に考えれば40を過ぎた妻帯者と19歳の独身女性とのセックスを伴った関係は割り切り恋愛であり、通常割り切り恋愛とは愛情を伴わない体だけの関係を指します。

私もそれは重々承知していましたが、しかし私は果歩とは世間一般で称する「割り切った関係」とは一線を画し、恋人どうしに近い恋愛関係であると勝手に思い込み、彼女もまた私と同じ気持ちだと思い込んでいたのでしたが、結局それは私の独りよがりで、彼女は最初から私とは割り切り恋愛として付き合っていたことがこの時初めて分かったのでした。

双方が異なるスタンスで付き合っていたのですから、すれ違うのは当然のことでした。

その日、彼女とのメール交信を終えるのと同時に彼女との関係も終焉したのでした。

終わってから後悔の念でいっぱいでしたが、もはや修復不能でした。

後悔の念は翌日になって一層募り、未練ではありましたが、別れることに異論はないが、最後にお別れとしてもう一度だけ愛し合いたいとせがみましたが、それはきっぱりと断られました。


あれほど毎週のように会い、毎回4~5時間片時も離れることなく、濃厚に肌を合わせた関係であったのに、幕切れはあきれるほどあっけないものでした。

つくづく男女の仲とは脆いものだということをあらためて痛感した私でした。


それからというもの、果歩と別れた寂しさを紛らわすために狂ったように女を漁りましたが、果歩のような女に巡り合うことはなく、果歩との邂逅は私の女性遍歴の中で甘くて苦い、そして貴重な経験として私の心の中に深く刻み込まれたのでした。


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