海の家 〜10年越しの恋〜
第5章 【岩】前半
店)おう!岩田ももうあがっていいぞー
剛)はい!あざっす!
お疲れっした!!
…あれ?
店)どうした?
剛)◇…さんは??
店)ああ、今日入った子かい?
ついさっきあがったよ?
剛)どこ…行ったんだよ…
女)あ、◇ちゃんなら一人で
あっちに歩いて行ったよーー
剛)あ、ほんとですか?
女)なんかね、ちょっと泣いてたっぽい。
剛)え!!な…んで…
女)わかんないけど…
剛)ありがとうございます!!
俺はすぐに追いかけた。
◇…
ずっと会いたかった。
小学校の頃からずっと好きで
離れて会えなくなって
それでもずっと好きだった。
今日俺の目の前に現れた時は
一瞬夢かと思って
信じられなかった。
だって…
まさかこんなところで会えるなんて思ってないし…
あいつ…すげぇキレイになってたし…
びっくりしたのと緊張とで…
思わず目を逸らしちゃったけど…
でも…
ちゃんと話したい。
「あの約束…覚えてる?」
俺のことなんか…もう忘れて
好きな男とかいるんだろうか…
◇……
どこ行ったんだよ…っ
剛)は…ぁ…、は…ぁ…
あっ…!!
いた!!
えっ…!!!!
男3人に絡まれてる?!!
俺は全速力で走った。
剛)おいっっ!!!!
近付くに連れて状況がハッキリした。
剛)◇…ッ!!!!
◇)剛典くん…っっ!!
こいつら…
◇のこと襲ってやがった。
剛)てめぇらぶっ殺されてぇのか!!!
男)やっべ…行こうぜ。
剛)ふざけんなッ!!!!
男)ほら、早く!!
男)行くぞ!!
俺がぶん殴ろうとすると
男共は慌てて逃げて行った。
剛)は…ぁ…、はぁ…
◇…、大丈夫か!?
◇)ううう…っ…
怖かったよな…震えて泣いてる…
俺はすぐにその身体を抱きしめた。
無事…だよな?
未遂だよな…?
良かった…
死ぬほど焦った…
剛)大丈夫。もう大丈夫だから。
◇)ひっく…、ひっく…
震える肩をさすって
頭を撫でる。
しばらく抱きしめていると
◇はやっと泣き止んだ。
◇)ごめんね…?
剛)…落ち着いた?
◇)うん……
身体をそっと離すと
あいつらのせいで少しはだけている胸元。
下着が…谷間が…
見えてる…///
バサッ…
◇)え…?これ…
剛)着ろ。
◇)え??
剛)……///
◇)どう…して…
どうしてって…
見えてんだよ!//
◇)あっ///
◇はやっと気付いたようで
慌てて俺のシャツを羽織った。
くそ……
ほんとは…今すぐ脱がしたい。
やっと会えたんだ。
ずっとずっと好きで…
抱きしめただけじゃ全然足りない。
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