THE D-SIDER 1
第1章 STORY1「出会い」
(…バカなっ!?避けられねえ!!!! )
真空状態となって真っ直ぐ小野木に向かって飛んでいく警棒は、まさしく閃光でのごとくであった。
彼の銃撃とは比べ物にならないほど早く、矢・・・いや、まさに一瞬の光の如き速さで。
警棒は、小野木に避ける隙を与えず腹部に突き刺さる。
「ぐああああああああっ!!!!! 」
異物が腹に深く突き刺さったことにより感じる激痛に、小野木は苦悶の声を上げる。
だが痛みに苦しむ間もなく、追い討ちをかけんとばかりに突然目の前を横切った何かが小野木の両腕を切り裂く。
「バカな…俺が、この俺様がッ!! 」
痛みに耐え、小野木がこう言葉を漏らす。
「…覚悟はできたか?」
「…なッ…てめえ、いつの間にッ!? 」
背後から声が聞こえ振り向くと、そこにはあの仮面の男が喉元にナイフを突き付けていた。
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