THE D-SIDER 1
第1章 STORY1「出会い」
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全身黒ずくめで細身、そして仮面を被った姿はまるで禍々しさすら感じる。
黒一色というだけでなく、凶悪な表情をしたマスク。
上半身には防弾チョッキのようなジャケットを身に纏い、片胸には信号機のような装置がある。装置のシグナルは、静かに青く灯っている。
そしてマスクの左右に飛び出したものは。まるで悪魔か鬼の角。
その角の部分には、センサーなのか赤いラインのようなものがあり、左右の太ももにはナイフと警棒がそれぞれ収まっている。
「また妙なモンが出てきたな、おめえ何モンだ?」
「…貴様が知る必要などない」
小野木が尋ねると、仮面の男は静かに答える。
すると小野木はくいっと首を右に回し、取り乱しつつあった部下に始末するようけしかけ
る。
さっきまでうろたえていた部下たちが、一斉に仮面の男に向かって襲い掛かっていった。
隠れて待機していた部下もいたのか、今までいなかったところから一斉に彼に向かって突き進んでいく。
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