背徳の涙
第1章 大好きなお兄ちゃん
隣の部屋に
お兄ちゃんと知らない女の人が
一緒にいると思うと
耐えられなくて
私はリビングにおりた。
一人で映画を見てると
二人もおりてきた。
女)わぁ、妹さん?
◇)…。
臣)そ。
女)可愛い〜〜♡
初めまして♡
キツい香水の匂いが鼻につく。
臣)お前何飲んでんのー?
◇)オレンジジュース。
臣)俺も飲も。
お兄ちゃんと女の人が
ソファに座ってきた。
なんで…おりてきたの…。
この人が…
さっきまでお兄ちゃんに抱かれてた人。
そう考えるだけで
耐えられなかった。
臣)お前まーたジブリ見てたの?w
◇)…。
女)私もジブリ好きー♡
面白いよね?w
明らかに子供扱いされてるカンジが
ひしひしと伝わる。
◇)お兄ちゃん、抱っこ。
臣)はぁ!?
◇)抱っこして。
臣)お前何言ってんの??
女)あははw
お兄ちゃんのこと大好きなんだ♡
私は無理矢理お兄ちゃんの
膝の間に座った。
臣)しょうがねぇ奴w
お兄ちゃんが後ろから
ぎゅってしてくれた。
女)とか言ってまんざらでも
なさそうだしw
臣)こいつ隙あらば甘えてくんだもん。
な?
◇)……。
臣)おい、何シカトしてんだよw
私はお兄ちゃんにぎゅっと抱きついた。
臣)おいおいw
女)仲良すぎ…w
ちょっと異常なくらいw
臣)ほらー
ブラコンだって言われてんぞ?
◇)……っ
私は無視して
お兄ちゃんにしがみついた。
女)広臣もシスコンなんじゃないの?w
臣)そうかもねーw
相当甘やかしてっし。
女)やっぱりw
そんなんじゃ妹さんに
彼氏できないわよー?w
臣)ははははw
彼氏なんていらない。
好きなのはお兄ちゃんだけだもん。
女)じゃ…私そろそろ帰るわね?
臣)おう。
お兄ちゃんが私をおろして
玄関まで見送りに行った。
私がリビングからのぞいてると
お兄ちゃんが女の人にキスをした。
女)んっ…//
臣)エロい声出すなよw
女)じゃあエロいキスしないでよw
臣)いいじゃん。もうちょっと。
女)んっ…んん///
お兄ちゃんが女の人の腰を抱いて
長いキスをしてる。
女)は…ぁ…//
臣)ヤーバw
またしたくなってきたw
女)ばかっ//
臣)ここで…する?w
女)ちょ…、ここ玄関よ?
臣)いいじゃんw
やだ!!!
やめて!!やだっ!!!
ガシャン!!!
私は思わずグラスを床に落とした。
女)きゃっ…
臣)??
女)妹さんじゃない?大丈夫?
臣)なんか割ったのかな。
女)じゃあ私もう帰るから。
続きはまた今度ね?
臣)はーいはいw
バタン。
泣きそうなのを我慢して
グラスの破片を拾おうとすると
後ろからお兄ちゃんに抱きかかえられた。
臣)なーにやってんのお前は。
◇)ごめ…んなさい。
臣)危ないからどいてろ。
◇)……。
お兄ちゃんはグラスの破片を
全部片付けてくれた。
臣)おっちょこちょいw
そう言って優しく頭を撫でる。
◇)今の人…彼女?
臣)いやー?
◇)彼女じゃないの?
臣)うん。
◇)好きな人…?
臣)別に好きでもないけど。
◇)…っ
臣)なにその顔w
◇)お兄ちゃんチャラいっ!!
臣)すいませんね〜〜w
お前はこんな男に
引っかかんなよー?w
そう言ってまた頭を撫でてくる。
子供扱いしないで…っ
お兄ちゃんは好きじゃなくても
色んな女の人を抱く。
根っからの遊び人。
好きじゃなくても…
誰でもいいなら…
私を抱いてよ…って、そう言いたい。
こんな気持ちおかしいのかなって
私だって他の男の子と付き合ったこともある。
Hしたらお兄ちゃんのこと忘れられるかなって
色んな男の子とHもした。
でも…ダメで…
そのうち相手をお兄ちゃんだと思い込んで
目を瞑ってHするようになった。
でも…そんなのやっぱり違って…
お兄ちゃんがいい。
お兄ちゃんじゃなきゃ嫌なの。
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