父さんも母さんもアイシテル
父さんも母さんもアイシテル
成人向完結アフィリエイトOK
発行者:如月玲
価格:章別決済
章別決済は特定の章でのみ課金が発生いたします。
無料の章は自由にお読みいただけます。

ジャンル:恋愛

公開開始日:2010/11/06
最終更新日:---

アフィリエイトする
マイライブラリ
マイライブラリに追加すると更新情報の通知など細かな設定ができ、読みやすくなります。
章一覧へ(章別決済)
父さんも母さんもアイシテル 第7章 命の芽生え
……

その日の夕方-

「暑ーーー…」

僕は店を出て思わず言った。

「夕方でもこの暑さだもんなぁ…」

僕は腕時計で時間を確認し、駅に向かって歩き出した。
もう少しで着くところで、1台の乗用車が狭い道を蛇行して走ってくるのが見えた。

「…?…なんだ?あの車…」

僕は思わず立ち止まった。
すると、その車が急に方向を歩道に向けてスピードを上げた。
その先には女性が歩いている。

「危ない!」

僕は思わずその女性に向かって走り、その体を突き飛ばした。
僕の体に強い衝撃が走った。

……

僕が目を覚ますと、病院だった。
でも目の前がよく見えない。足の感覚もなかった。
頭にかなりの痛みがある。そして息苦しい…。

「先生!」

看護師さんが気がついてくれた。
医者らしい人が何かを言った。隣に血だらけの男性がいたのがわかった。僕は運転手だと悟った。

「気を確かにね。お父さん達呼んでくるから!」

看護師さんがそう言って出て行った。
すぐに父さんと母さんが入って来た。

「良介!しっかり…」
「良介!」

父さんと母さんの顔が、涙で濡れているのがわかった。
僕は何かを悟り、口に被されている酸素マスクを、唯一感覚のある右手で外した。

「父さん…母さん…今…まで…あり…がと…」
「ばか!お前は大丈夫だから!気をしっかり持つんだ!」
「幸せだった…よ…。父さんと…母さん…の子供に…なれ…て…」
「良介!だめ!しっかり!」

自分の涙が熱く感じた。なぜだが寒い。僕は震えながら言った。

「アイ…シ…テ…ル…」

僕は突然、闇に吸い込まれるのを感じた。
父さんと母さんの僕を呼ぶ声が、遠くに聞こえた。

(終)
60
最初 前へ 57585960616263 次へ 最後
ページへ 
ページの先頭へ