父さんも母さんもアイシテル
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成人向完結アフィリエイトOK
発行者:如月玲
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2010/11/06
最終更新日:---

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父さんも母さんもアイシテル 第3章 実の親が現れて・・・(1)
父さんが言った。

「だから、とりあえずは良介に稼いでもらうのが一番…」
「そんなこといっても、良介の稼ぎだけじゃ無理よ!」

僕は体が震えるのを感じた。

「それよりも、この時計見てよ。」

その父さんの声に、僕の心臓がどきりと鳴った。

「前のお父さんにもらったっていうからさ、取り上げたんだ。」
「それもひどいことして…可哀相じゃないの…」
「明日売りに行こうと思うんだ。」

僕は一瞬頭に血がのぼったが、ふと思った。
売ってくれれば、取り返せる。買い戻せばいいんだ。…どこの質屋に行くかさえわかれば…。
だが、すぐに無理だと思った。通帳をすべて取りあげられてしまったんだった。財布に入っているお金は数千円しかない。…きっと取り返せない…。

「駅前の質屋に行ってみるよ。」
「ねぇ、あなた。」
「なんだ?」
「もっと良介に優しくしてあげてよ。」

僕はその母さんの言葉に少し安堵した。母さんさえ味方だったら…。
だが…。

「…良介に嫌われたら、今の生活だってそうだけど、私たちの老後、誰が見てくれると思う?」

僕はその母さんの言葉で戦慄を覚え、とうとうキレた。
ドアを思いっきり開いた。
父さん達が驚いた目で僕の方を見た。

「良介…!」

僕は食器棚を開け、食器を手に取ると、父さん達がいない壁に向かって投げつけた。
父さん達を傷つけるつもりはない。だが、暴れずにはいられなかった。

父さんが、反対側の部屋の奥に逃げた。母さんがやめて!と叫ぶが、僕には近寄って来なかった。
僕は次から次へと、食器を壁に投げつけ、割った。
父さんが電話を手にした。

「もしもしっ!…息子が暴れて…」

僕は構わず、食器を割り続けた。
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