あなたの仰せのとおりに…
第8章 秀介の想い
検索サイトへ行って、その人のIDを検索した。…出てこなかった。IDも削除されていた。
「由紀さん…どうしたら…許してくれる…?」
僕は小さな子どものようにベッドで泣いた。もう会う事もできないのだろうか。…パソコンのインストラクターをしていると言っていた。パソコン教室を検索すればいいのだろうか?
そこまで思って、やっぱり電話をしてみようと思った。
何度もその人の名前を表示しては、消した。
やっぱり怖い。…電話番号も変えているかもしれない。…もしそうだったらどうしよう…。つながったとしても、すぐに切られてしまったら?
…だが、勇気を出して、電話をかけた。
何度か呼び出し音が鳴った。…拒否してるのか、なかなか出ない。
…だけど…出てくれた。
「もしもし?」
懐かしいハスキーな声。俺は思わず「良かった…」と小さな声で言った。わざとじゃない。嬉しさに声がでなかったのだ。だがその人が黙り込んでいるので、思わず「切らないで下さい!」と言った。
お願い…切らないで…俺を捨てないで…。
俺は必死に自分の想いを伝えた。
そしてその人は会ってくれると言った。
嬉しくて、涙が溢れ出た。
…会って、すぐにホテルに行き、俺はその人への気持ちを口に出しながら、その人を抱いた。
張りのあるすべすべの肌に触れ、僕の舌の上で、その人のピンクの胸の先が固くなるのを感じ体が熱くなる。その人のピンクの花芯も僕の舌の中で膨らんでいく。
それと同時に、普段の声とは違う喘ぎ声。俺に感じてくれているその声と腰の動きに、俺の絶頂までの時間は早かったように思う。
その人が満足してくれたのかどうかはわからないけど…。
俺はまた会ってくれるように頼んだ。
いろんな条件をつきつけられたが、俺にとっては全くできないことはない。
その人に会えるなら、何でもする…。
それが通じて、また会ってくれると言った。
俺に本当の恋人ができるまで…という条件が一番悲しかった。
…だけど、それを呑まなければ、もう会ってもらえない。
そっと、その人を抱きしめた時、その人が体を預けてくれたのが嬉しかった。
…結婚はもうこりごりだと言ってたけど…したくないならしなくていい。
全て、あなたの仰せの通りに…。どんなことも…。
(終)
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