真理の探求者
第1章 プロローグ
「あ!しゅにーん!準備出来ましたよー!」
俺の手元の機材に付いているスピーカーから声が聞こえた。
二階の解析室にいる解析担当の研究員の声だ。
その声を聞いて助手も部屋を退室し、扉が完全にロックされる。
部屋の中には俺一人だけ。
俺は炉心を見守るため、そして直接炉心を制御するために残った。
別段危険は無い。ただ膨大なエネルギーが発生するだけだ。
その程度では炉心が壊れないのも計算済み。
どの道試験的なものだから空間の歪みでも感知出来れば上出来だろう。
「炉心、起動して下さい」
「了解。炉心を起動する」
手元の安全バーを降ろし、赤いスイッチを押す。
すると炉心からゴウン、ゴウン、とい音が響き、
手元の計器が炉心が起動したことを示す。
その場に居る全員が固唾を呑んで見守る中、
完全に起動した炉心はそのエネルギー反応を上げて行く。
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