真理の探求者
第1章 プロローグ
「いや、間違ってはいませんがもう少し言い方どうにかならないんですか?」
そんな事言ったってねえ。
上も無茶言ってくれるよ。
何かすら分かってない多次元を解析して使えるようにしろ、なんて。
まあ予算は洒落にならないくらい降りたから、思うままにやらせて貰ったけどね。
「思うままにやって今まで成功して来たんじゃないですか。自信持って下さいよ」
年上のあんちゃんに励まされちゃ、気張らん訳にはいかんね。
まあ俺特製の量子コンピュータ(政府特注の新型にさらに手を加えた)
で数年かけて計算したんだ。
これで駄目ならあと2、30年は実現無理だろ。
せめて空間が歪むぐらいしてくれたらなあ。
昔見たSF漫画のようにワープで宇宙を旅する日は何時になれば来るのか…
未だに火星の本格的な調査と開拓が始まったばかりだもんなあ。
こんな無茶な研究に莫大な研究費が降りたのも、
成功すれば様々な分野で歴史的な偉業となるからなんだよね。
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