真理の探求者
第2章 第一話 神
「では、これからどうなるのかを聞いても?」
これが本題と言ってもいい。
神を目指した愚か者は地獄の業火に焼かれるのか、
それとも神へと至る試練を受けるのか。
まあ先ほどの話から大体予想は付くが。
「君が予想しているように、これから俺の世界へと行って貰う。
なに、危険もあるがいい世界だ」
誇らしげに語る彼を見ていると、
本当に自分の管理する世界が好きなのだな、と思った。
話を聞いていけば、何でもこれから行く世界は"魔法"のある世界らしい。
魔法。俺の世界では空想上の産物だったもの。
「魔法と言っても、技術と文化の進化の形という点では科学と同じだよ」
ようは原理が違う科学、ということらしい。
元素や化学反応や電子機器を使う俺の世界の文明と違い、
魔素や精霊の加護や魔法術式を使う文明なんだそうだ。
成る程。科学とは全く違う原理によって発達した文明。
俺の目的には持ってこいの世界だ。
22