真理の探求者
第2章 第一話 神
衝撃の言葉を混乱せずに受け入れられたのは、
俺の頭が落ち着いていたからか。
聞いていくと、俺の"肉体"は死んでいるが、"精神"は死んでいないらしい。
ここで言う精神とは、人格とか記憶の類のこと。
「お前は一度世界から弾かれた。それもかなり不安定な方法でだ」
無論、そんな状態になって肉体が生きていられるはずもない。
そこで、俺の世界の管理者が俺の人格と記憶を保護し、サルベージしたらしい。
「管理者というのは複数居て、管理している世界は決まっている」
その管理している世界が複数ある場合、
それらの世界は繋がる可能性があるらしい。
ファンタジーでよくある、異世界への転移だ。
ところが俺の居た世界では、管理者が管理していたのは一つの世界だけだった。
成る程、いくら科学が発達しても異世界への扉が開かれない訳だ。
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