真理の探求者
第2章 第一話 神
「驚いてるな。まあ当然か。気にするな。
ここはそういう所だ、とでも思っていてくれればいい」
大事なとこはそこじゃないしな。
と言い、彼が指をパチンと弾くと、
何もなかった所にいきなりテーブルと椅子二つが現れる。
彼は驚く俺を余所に、洋風の白い椅子へと座る。
同じく洋風の白いテーブルの向かいに、彼の座っているものと同じ椅子がある。
彼はそこに手を向けて、「どうぞ」と言って来る。
座れという事だろうか?
まあずっと立ちっ放しも辛いし、ありがたく座らせて頂こう。
「紅茶は好きかい?」
いきなりの質問に戸惑うも、「はい」と答えると彼がまたパチンと指を鳴らし、
テーブルの上にティーセットが現れる。
シンプルだが気品のある、中々高そうなティーセットだ。
俺の前に置かれたティーカップには紅茶が入っており、
これも気品のいい高級そうないい香りが漂ってくる。
ご丁寧にテーブルの中央にはクッキーの載った皿が置いてある。
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