真理の探求者
第1章 プロローグ
「主任!?」
何だ?体が引っ張られる!?
目の前には炉心が…見るとその炉心から光が溢れている。
あり得ない。炉心は特殊な鋼鉄に覆われている。
何の損傷も無しに光が溢れるはずが無い。
そうこうしている内に炉心が光に包まれる。
一瞬爆発かとも思ったが熱量自体はさほど無く、すこし暖かい程度だ。
ならばこの光は?そう考えている間にも俺の体が引っ張られる。
機材は床に頑丈に固定されているため動く事は無いが…
ちっ、俺の体も固定しておけば良かったか!
「主任!」
今起きている現象については大体の予測は付いている。
おそらくあれが次元エネルギーとか言われる類のものだろう。
ならばこのまま引っ張られて行けば恐らく次元の向こうへ飛ばされる。
俺の力ではこれだけの引力に逆らい続けるのは不可能か…
俺がどこかに飛ばされればこの研究は成功ということになるな。
何も飛ばされないのと人が飛ばされるのとでは飛ばされた方が得る物も多い。
…それに、あの向こうには俺の目指している物の答えが
…もしくはそのヒントがある気がする。
………ならば。
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