Mの断層―非日常的な現実編
第5章 5章 公園
男に 初めて 出合ったのは
私が 早朝に ジョギングしていた
自宅近くの 広い公園の ベンチで
男は 仕事も住居もなく
その 公園が 生活の場所なのだろう
家財道具一式を 詰めてあるのか
似合わない 派手なキャリングバックを 引いていて
カートと バッグの 繋ぐ留め具が 壊れてか
ストッキングが 巻かれて結んであり
それは 私が 数日前に
真夜中 酔って歩道を歩いていると
急な性欲のたかまりを 抑え切れなくなって
公園のトイレに入りこみ 自慰したときに 残した痕跡 とは
一目で 私には わかったから
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