果てしなく長い物語
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発行者:岩上智一郎
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ジャンル:ノンフィクション
シリーズ:一章 幼少編

公開開始日:2010/09/27
最終更新日:2010/10/29 01:47

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果てしなく長い物語 第1章 果てしなく長い物語 一章 幼少編
 大所帯の家だった。

 おじいちゃんにおばあちゃん。
 パパ、ママ。
 それにパパの妹であるおばさんのユーちゃん。

 家では商売もやっていたので、住み込みの従業員もたくさんいた。
 通いで働く職人も入れたら、家の中は常に十数名の人間がいた訳である。

 住み込みで十年ほど働いていた大ちゃん。
 僕が四歳の時、確か二十五歳だったと思う。

 その大ちゃんは仕事が終わると、僕の手を引いて近所のデパートに連れて行ってくれた。
 行くと必ず大ちゃんは少ない小遣いの中から、僕に色々なものを買ってくれた。

 デパートの入り口のそばにある軽トラックを改造して店にしたホットドック屋。
 ノーマルなホットドックの他に、長細いハンバーグのような変わったものもあった。
 僕はそのハンバーグドックが大好きで、行くといつも食べていた記憶がある。


 家の目の前には県道を挟み、二階建てのボロい木造の映画館『ホームラン』があった。

 おばさんの話によると、僕はいつも不思議そうな顔をしながら窓際に立ち、ジッと映画館を眺めていたそうだ。
 まだ二歳ぐらいの頃らしい。


 後ろから「龍ちゃん」と背中を叩くと、目玉がこぼれてしまうのではないかというぐらい大きな目をしていたようで、いつも誰かしら背中を軽く叩いていた。
 親戚のおばさんは僕と会うと、そう目を細めながらよく言っていた。


 三年保育の幼稚園に通うようになると、友達が一気に増える。

 家の周りは商店街ばかり。
 だから商売人の子供が園児の中で、三分の二は占めていた。

 パン屋の息子やお菓子屋の娘、本屋の娘などが羨ましくて仕方がない。
 だって毎日おいしい菓子パンを好きなだけ食べられたり、好きなだけ漫画を読めたりできるのだから。

 レコード屋さんや薬屋さん、着物屋にガラス屋さんの子供もいる。
 ラーメン屋の娘や呉服屋の息子だっていた。

 同級生の家だけで、ほとんどの商売が集まるぐらいの環境。


 そんな僕の家はクリーニング屋さん。

 洗濯代などもちろん一切掛からない。
 大きくなってから初めてそのありがたみが理解できるようになったが、幼い僕はいつも友達の家を羨ましがってばかりいた。
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