果てしなく長い物語
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発行者:岩上智一郎
価格:章別決済
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ジャンル:ノンフィクション
シリーズ:一章 幼少編

公開開始日:2010/09/27
最終更新日:2010/10/29 01:47

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果てしなく長い物語 第1章 果てしなく長い物語 一章 幼少編



「千秋、子供を怒鳴るのはやめなさい」

 おばあちゃんの声が鋭くなる。
 それから僕たちのほうを振り返り、穏やかな顔で口を開いた。




「龍一、龍也…。お願いだからおばあちゃんの言う事を聞いてくれるかい?」





 右の手首から流れる赤い一筋の血が、僕の視界に映る。



「……」



「大丈夫だから、部屋に入ってな」




 そんなに血が出ているのに大丈夫な訳がない。



「……」

 僕は返事ができなかった。




「龍一、おばあちゃんは大丈夫だよ。お願いだから部屋に入ってて、ね?」




「うん……」



 僕は龍也の手を引いて部屋に戻った。

 ドアを閉めると、何かが壁にぶつかった音が聞こえてくる。
 見えないながらもおばあちゃんがママに突き飛ばされたんだと、頭の中でリアルに想像できた。



「何が大丈夫だからだ! うちの子たちに何を吹き込んでいるんだ!」

 ママのキンキン声がドアを挟んで聞こえてくる。


 龍也はその声にビックリして泣き出してしまう。
 僕は頭を撫でてしきりになだめようとした。弟を可哀相に思ったのもあるが、その泣き声で、ママがこっちに来たら嫌だという気持ちが強かった。


 おばあちゃんは今、一体、どんな目に遭っているのだろうか。

 止めに入れない自分が、非常に情けなかった。




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