果てしなく長い物語
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発行者:岩上智一郎
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ジャンル:ノンフィクション
シリーズ:一章 幼少編

公開開始日:2010/09/27
最終更新日:2010/10/29 01:47

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果てしなく長い物語 第1章 果てしなく長い物語 一章 幼少編




 大きな雷のする嵐の日だった。

 漢字のテストがあり、その答案が帰ってくる。



 いつも百点満点だった僕は答案を見て、思わずギョッとした。
 一問だけバツがついていて九十点だったのである。


 ママに怒られる。
 僕は瞬間的にそう思った。

 間違えた部分の問題は、「十回」をどう読むかという問いであった。

 テストの前に授業で「十回」は、「じっかい」と読むのだと教わった。
 しかし僕は「じっかい」と読み方を教わったものの、誰も「じっかい」という言い方をしてないので、普通に「じゅっかい」と書いたのだ。

「十回」の正しい読み方は、「じゅっかい」でなく、「じっかい」……。
 それがどう考えても腑に落ちなかった。


 満点じゃない僕は、担任の先生に抗議をしに行った。
 どうしても納得いかないと……。

 すると先生は赤い口紅が塗ってある口を大きく開き、こう言った。



「いい、神威君。先生は授業で『じっかい』と、ちゃんと教えたでしょ?」
「はい」

「だから、ここはバツにしたの」


「でも、先生……」
「なあに?」

「誰も、『じっかい』なんて言ってません。みんな、『じゅっかい』って言ってます」


「いい? そんな事を今、先生は話しているんじゃないの。間違いは間違い…。ちゃんとね、先生は『じっかい』と答えた子には、丸をつけたわ」



 それ以上、僕には何も言えなかった。

 帰ったらどうなるだろう。
 ママが怖かった。

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