果てしなく長い物語
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発行者:岩上智一郎
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ジャンル:ノンフィクション
シリーズ:一章 幼少編

公開開始日:2010/09/27
最終更新日:2010/10/29 01:47

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果てしなく長い物語 第1章 果てしなく長い物語 一章 幼少編





 ガチャンという音と共に、激しい痛みが襲う。




 気がつくと、僕は床の上で倒れていた。





 ズキッとした痛みを左まぶた辺りに感じる。
 そっと手を触れてみた。

 ぬるっとした嫌な感触。


 左手の指先を見ると、人差し指に赤い血がついていた。



 僕はこんな痛みより、ママの手当たり次第の攻撃が止んだ事にホッとしている。

 それでも痛みを感じ、泣いてみた。
 こんなに涙があったのかと思うぐらい泣いた。




「お兄ちゃん!」

 龍也が近づいて心配そうに覗き込んでくる。


 僕は弟がママに打たれないかと思い、体を起こした。
 辺りを見回す。

 この部屋には僕と龍也と寝ている龍彦しかいなかった。




 床に赤い血が数滴垂れる。
 僕はティッシュで懸命に拭いた。


 僕の傷を見て泣き出す龍也。

 とても怖かったのだろう。



 バンドエードを探し、鏡で見ながら貼った。
 顔は両腕でガードしていたおかげか、思ったよりも腫れていない。



 横ではいつもパパがお酒を飲む時に使うガラスのテーブルが割れていた。





 ここに僕は頭を突っ込んだのだ。
 今さっき起きた事なのに、それを想像すると体がガタガタ震えた。





「お兄ちゃん……」
 泣きながら僕を見つめる龍也。

 僕は弟を抱き寄せ、出来る限り優しく話した。



「大丈夫だよ、龍也。おにいちゃん、大丈夫だよ」


 僕と龍也は抱き合いながら、部屋の中でまた泣いた。





 この日、僕の左まぶたの上に生涯消える事のない一つの傷ができた。





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