果てしなく長い物語
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成人向アフィリエイトOK
発行者:岩上智一郎
価格:章別決済
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ジャンル:ノンフィクション
シリーズ:一章 幼少編

公開開始日:2010/09/27
最終更新日:2010/10/29 01:47

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果てしなく長い物語 第1章 果てしなく長い物語 一章 幼少編



 玄関の開く音が聞こえる。

 瞬間的にママだと感じた僕は、居間の扉を開け玄関に向かう。



 予想通りママで、玄関でハイヒールを脱いでいる途中だった。

 笑顔で駆け寄る僕。
 ママも笑顔で迎えてくれるだろうと思った。






「……」

 僕はママの目に、ビックリして立ち止まってしまった。

 軽蔑するような冷ややかな視線。
 今までこんな目は見た事がない。

 子供心ながら不安を覚え、何か悪い事をしてしまったのだと感じる。




 ママは僕にひと言も声を掛けず、素通りした。





「マ、ママ……」

 無言で僕を押しのけるように、ママは通り過ぎていく。

 そのまま居間へ入り、おじいちゃんと何か話している声が聞こえてくる。
 その内怒鳴り声が時折聞こえ、恐怖心が全身を包む。

 固唾を飲み込み、居間のほうを見つめる。



 その時居間の扉が勢いよく開き、ママが出てきた。
 両手に龍也と龍彦の手を掴んでいる。

 まだ二歳の龍彦は大声で泣いていた。
 龍也は何度もママの顔を不安そうに様子見している。

 僕は玄関から、ただその光景をジッと見ている事しかできなかった。


 ママは僕に話し掛けもせずに、鉄筋の階段を上りだした。

 途中にある踊り場まで来ると、僕を見てやっと口を開く。





「何してんの。早く二階に行くよ」



 僕は少し寂しく思ったが、無言で階段を上がった。
 その時足の裏で感じた鉄筋の階段の冷たさは、今でも鮮明に覚えている。




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