果てしなく長い物語
果てしなく長い物語
成人向アフィリエイトOK
発行者:岩上智一郎
価格:章別決済
章別決済は特定の章でのみ課金が発生いたします。
無料の章は自由にお読みいただけます。

ジャンル:ノンフィクション
シリーズ:一章 幼少編

公開開始日:2010/09/27
最終更新日:2010/10/29 01:47

アフィリエイトする
マイライブラリ
マイライブラリに追加すると更新情報の通知など細かな設定ができ、読みやすくなります。
章一覧へ(章別決済)
果てしなく長い物語 第1章 果てしなく長い物語 一章 幼少編


 目の前の映画館ホームランは、僕にとって身近な遊び場だった。

 そこで働くおじさんたちは、僕を見かけると笑顔で駆け寄り、抱っこしたまま中に連れていく。
 いつも二階席の一番前に座らせてくれ、僕は何の映画か内容も分からずただスクリーンをジッと眺めていた。

 坂井というおじさんはアンパンとコーラの入ったビンをいつも僕に手渡し、頭をゴシゴシと撫でてくれる。

 今思えばその坂井のおじさんは、自分の小遣いで買ってくれていたのだろう。


 ようするに僕は非常に可愛がられていた訳だ。
 そんな状況でいたものだから、高校を卒業するまで、映画を見るのに料金を払った事が一度もない。


 幼稚園の担任の先生とも非常に仲が良かった。

 先生は大の映画好きだったので、僕は前の映画館に行き、ポスターやパンフレットをくれるようねだる。
 映画館のおじさんはニッコリ笑って、快くプレゼントしてくれた。

 僕はもらったものを先生に全部あげた。
 先生は顔をほころばし、お返しにと別の映画館で上映された洋画のパンフレットを僕にくれた。

 他の同世代と比べると、なかなか恵まれた環境で育ったといえよう。


 家の中の従業員やお手伝いさんたちは、幼い僕の事をいつも『坊っちゃん』と呼ぶ。
 常に僕は笑顔が絶えなかったようである。

 毎日が楽しくて仕方がなかったのだ。


 当時家の二階の一室に、両親と一緒に住んでいた僕。
 いつもホームランからは、何かしらの音楽が聞こえてきた。

10
最初 前へ 78910111213 次へ 最後
ページへ 
ページの先頭へ