老人の居る運河
老人の居る運河
成人向完結
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ジャンル:その他
シリーズ:コピーライター 舞

公開開始日:2010/09/20
最終更新日:---

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老人の居る運河 第1章 1章 廃屋
見上げる窓は 曇りガラス戸 少しだけ 開いていて
蒼い空と 綿切れのような 白い雲が 飛んでいたし
時おり 入ってくる 風は 爽やかだった

家の中の 点けられた灯りは 一切なく
戸外の 真昼間の 明かりは まぶしかった

私は 孤独で 感慨を めぐらすしか やることもなく
腰を付けている 古畳は くすんでいたけど
思ったより 不潔ではなく 室内は 掃除されているのか
埃っぽくもなく 家具もないから 外見より 中は広く感じた


私って 男運は 悪くはないって 自分では 思っている
結婚は できなかったけど 後悔はない
でも いつも ちょっと 変わった男に 惹かれる なぜか

男が 戻ってくるまで ただ 待たされている
男は 気まぐれで そして 私から見ても 老人
いくつぐらいかしら?

運河のほとりの 廃屋が 並んだうちの 一軒に
電気も 通じない 薄暗い 四畳半ぐらいの 室内に
一本の木の柱を 後ろ手に回して 
私は 身体を 縛り付けられていた

服は 付けていたけど

胸を 上下に 巻かれた 縄に挟まれ
ブラウスを 開かれ ブラを 擦り下げられて
両の 乳房を 剥き出しに されて

でも 猿轡も されてはいないから
ドアの外の 往来に向かって 助けを呼ぶ
声を 封じられては いないのだけれど

独りで 黙って 静かに
私を 縛り付けたまま 裏口から 出て行ってしまった
この廃屋に住む 老人の 帰りを 待っているだけ

横坐りで スカートの 揃えた足の向きを返る
ストッキングの 奥が疼いて
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