妖怪伝奇帖~浅篠原陰陽師秘録~
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発行者:鴉羽 霞柳
価格:章別決済
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ジャンル:ミステリー・推理
シリーズ:浅篠原陰陽師秘録シリーズ

公開開始日:2010/10/25
最終更新日:2010/10/26 08:23

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妖怪伝奇帖~浅篠原陰陽師秘録~ 第1章 第壹幕「亊之始」
切っても切れない腐れ縁”なのだという。


「お、そんなこと言ってると、オレが蘇芳を横取りしちまうからな。」

「む、益々聞き捨てならん! 己葛城、善い加減にしろよ!」

「はぁ、二人共仲が良いんだねぇ。」

「「……はい?」」


言ったままである。二人とも何やら言い合っているが、とても仲睦まじく見えたので、其のまま述べただけである。


「あ、あのねぇ、沙織……」

「うむうむ、仲が良いのは善いことだ。うん、善い善い……」

「勝手に一人で納得しちまった。」

「ああ、こうなった沙織にはもう状況を説明しても無意味なんだよね……」

「「…………」」


暫しの沈黙が周囲を包む。私自身はちっとも気まずいと思っていない。


「んー、じゃあオレはこれで……」

「うん、分かった……」


宗輔が席に戻ろうとした直後……


「みんなっ、元気してるかぁ!!」


……盛大に開く教室の扉。何か爆発音のようなものも聞こえた気がする。


「ん、どうした? みんな、元気が無いぞ。ほら、声を合わせて……今日も張り切って往くぞ、おーーっ!!」

「おーーっ!!」
「ぉー……」

「みんな声が小さーいっ!! 蘇芳君を見習うんだ!」

「はぁ……」


楽しい、実に楽しい。この朝のやり取りは去年から続くものだ。先程入ってきた熱血体育会系教師こそ、二年連続で(恐らく三年目も)我々壱組の担任をしている(であろう)赤坂忠(あかさか ただし)教諭である。


「先生と合わせられるのなんて、沙織ぐらいなもんだよ。」

「然うなのかなぁ。とっても楽しいから、其の内みんなも馴れると思っていたんだけど。」

「厭、我々にはあのノリについて行くことが困難なのであります、ハイ。」

「ふぅん……」


苦笑いしながら鈴鹿は言う。今一分からないが、その表情で一応の納得をする。


「よし、一段落着いた所で出席を取るぞ。」


名簿を手に、教諭が出席を取る。一通り周囲を見回した後、一つだけ空いた席を見た。


「奈良橋は今日も休みか。誰か、事情を聞いてないか?」


教諭の問い掛けに、答える者はいない。薄くざわめきが起こっている中、首を傾げている者もいる。


「ねぇ、鈴鹿ちゃん。奈良橋さんって何処に住んでるか知ってる?」

「うーん……聞いたこと無いしなぁ……」

「そうなのか……」


何だろう、変な感じだ。
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