「僕のカレンダー」~素人が書いたありのままの刑務所日記と壮絶な過去
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発行者:とぷ
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ジャンル:ノンフィクション

公開開始日:2015/03/02
最終更新日:2015/03/23 15:34

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「僕のカレンダー」~素人が書いたありのままの刑務所日記と壮絶な過去 第2章 第2章~逮捕から受刑者となるまで~ 1、逮捕当日~7月3日~
その後は、ようやく事件当日の経緯の聴き込みが始まり、取り調べは休みなく継続的に続けられていた。狭い取調室の中で長時間、刑事さんからの圧力に耐えるのは辛かったが、何より辛かったのはタバコが吸えないことだった。僕は当時、かなりのヘビースモーカーであったので、とにかくタバコが吸いたくてイライラしていた。何度か、取り調べの刑事さんに「タバコを吸わして欲しい」と伝えたが、ことごとく断れ続けていた。取り調べが始まってから数時間経過したと思われる時、夜食として安っぽいコンビニの弁当が手渡された。当然、食欲もなかったが、数人の刑事さんの「食べたなよ」という強い圧力に押され、口を付けることとなった。当然、美味しくない。しかし、その時であった。僕の目からは、無意識に大粒の涙が溢れでてきた。その涙の理由は、彼女の事を考えたからである。この時、僕にはお腹に小さな命を授かった彼女がいた。今回の事件は、そんな彼女や子供を養っていこうと決めた矢先に起こしてしまった事件だからである。内容を知っていたら、当然やるはずがなかったが、そんな理屈はもう通用せず罪を犯してしまい逮捕もされてしまっている。この時、僕の携帯電話は押収され電源も切られていた。「きっと心配しているんだろうな」とか「早く彼女のもとへ帰りたい」と心の中で思っていたら、とにかく涙が止まらなかった。完食はしなかったが、食事を済ませ再度そこから数時間の取り調べが行われた。もう、身も心も疲れ果てたある時、刑事さんは時計を確認し「疲れたでしょ?今日は、ここまでにしようか?」と言ってき、僕は少し眠そうな声で「はい」と答えた。もし、これが会社や仕事などであれば「お疲れ様でした。」と言って、自由に家に帰る事ができる。しかし僕は今、容疑者という立場、帰れないのは薄々分かっていた。心の中で「家に帰りたい」「帰らしてくれ」と強く念じていたが、刑事さんはためらうことなく「じゃあ、留置場に行こうか。」と軽々しく言ってきた。
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