Day Of Destruction
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発行者:木暮
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ジャンル:SF

公開開始日:2010/09/17
最終更新日:2010/11/02 16:37

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Day Of Destruction 第3章 崩壊していく日常
 視界から消えていくヘリを見て、ルーラ先生は膝をつく。
「ああ、そんな、私たちは、どうなってしまうの……?」
 先生は教師とはいえ、女なのだ。
 ここは男である俺らが支えるべきなのだろう。
 とか思っていたら先にダウスが話しかけていた。
「先生立ってください。まだ他の場所にもヘリがいるかも知れません。探しましょう」
 ルーラ先生は立ち上がり、
「そ、そうね」
 と言った。
 ちっ、いいとことりやがってと思った矢先、上空からヘリのプロペラが空を切る音が聞こえてきた。
「あっ!ヘリが来た!おーい!!」
 と言って3人娘の1人が手を振る。
 それに気付いたのか、もとから気付いていたのかは知らないが、そのヘリは校庭に着陸してくれた。
 中から若そうな兵士が手を振る。
「こっちだ!時間が無い!早く乗って!!」
 助かった。
 マジ助かった。
 これで何とかなりそうだ。
 俺たちは急いでヘリに乗り込み、ヘリは瞬時に離陸した。

――ヘリ内――

「兵隊さん。助かりました。実は、重量オーバーでヘリに乗せてもらえなくて……」
 ルーラ先生が口を開いた。
「それで取り残されていたんですね。危うく見逃すところでした」
 兵士はさっきのイラついた男と違い、やさしい口調で言った。
 俺は少し気になることを聞いてみた。
「住民の避難は完了したんですか?」
 見たところ周囲にもうヘリもトラックもいない。
 きっと完了したんだろう。
 と思ったら、返ってきた答えに思わず怒りを覚えた。
「……6割、完了した。陸軍からは既に撤退命令が出て、俺が最後尾のヘリだ」
 やさしい口調はどこへ行ったのか、冷徹な口調で男はそう答えた。
 6割……?
 ほとんど終わってないじゃないか!
「なんですかそれ、帝国軍は、国民を見殺しにするんですか!?」
 なぜだか、俺は熱くなっていた。
 ダウスや他のみんなはそれを見て驚いていたようだ。
 だが兵士の男は冷静だった。
「救助は不可能。ただそれだけだ。兵士には当然勇気が必要だが、生還も任務も達成不可能と知って実行するのは勇気じゃない。兵士は、任務達成はもちろん、自分も護って初めて1人前なんだ。今からどうあがいても、残り4割のヴァニスト地方の国民を救助することは、不可能なんだ」
 理屈は分かった。
 でも、それでいいのか?
 見捨てられた人は、今何を考えているのだろうか。
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