Day Of Destruction
第2章 第3魔導中隊の悲劇
それから、5分も経たないうちに第3魔導中隊員約300名は1人残らず化け物に喰い尽くされた……。
――ヴァニスト地方・ガルファ市・市立高校――
キーンコーンカーンコーン、と目覚まし代わりのチャイムが鳴り響く。
ああ、もう朝か……。
「いや、違うって」
と俺は自分に突っ込んだ。
はたから見たら変な奴だと思われるのでもう言わないようにしよう。
今は3時間目の授業が終わったところだ。
昼休みまでにはまだ1時限もある。
「よおジャスト、今回もいい爆睡っぷりだったなぁ。ちゃんと家で寝てるの?」
俺の友人、ダウスが話しかける。
こいつは席が俺の後ろだから俺が爆睡してる姿がよく見えるらしい。
ついでにこいつは成績優秀学年4位というモンスターで、対して俺は学年173位中170位という最下層というデコボココンビだったりする。
「俺はたっぷり12時間は睡眠とってるね。いざとなったらいつでも徹夜できるように」 俺は自信満々に言ったが、
「それは寝すぎだろ。寝すぎると早死にするって知ってる?」
と恐ろしい事を口にした。
「何ぃ?それマジな話?」
由々しき事態だ。
ああ、100歳まで生きるという俺のスペシャルな人生設計が……。
「さあね。都市伝説かも」
それは良かった。
「って、んな事より今からこのプリント、バン先生に渡しに行くから、お前も来て」
と俺は言った。
忘れるとこだったぜ。
危ない危ない。
「はぁ?やだよ。休み時間あと5分もないよ?それに次音楽室だし。そろそろ行かないと」
おわああぁぁぁぁっ!!
こいつと話す時間なんて無かった!!
「おいおいこれ今の時間まで出さないと死ぬんだよっ!」
「死ぬの?墓参りくらいなら行ってもいいけど……」
「比喩だ比喩っ!あと死んだら葬式も出ろよっ!」
「考えとくね」
「即答しろよ、じゃなくて時間んんんん!!」
俺は教室をマッハで飛び出し、職員室へ向かう。
あと何分!?
3分!
間に合うかっ!
頑張れ俺の何かっ!
「うおおおぉぉぉぉ!!」
俺ははたから見たら奇怪に見える形相で廊下を駆ける。
道行く生徒が今にも110番通報しそうな表情で俺を見ている。
警察は勘弁して!!
だが、事態は一瞬で急変した。
ウーーー!!ウーーー!!ウーーー!!
突然のサイレン。
何が起こったんだ?
6