Day Of Destruction
第3章 崩壊していく日常
――ヴァニスト地方・ガルファ市・帝国陸軍第1駐屯地――
「物体、大気圏を突破、高度3000㎞まで落下中!進路、依然ヴァニスト地方のままです」
ここ第1駐屯地の指令室で、オペレーターの1人がそう告げた。
「ヴァニスト地方全域に緊急避難命令を発動!1人でも多くの国民を脱出させろ!」
とここの基地司令である大佐が言った。
「大佐!一斉に緊急避難命令なんて出したら地方中が未曾有のパニック状態になりかねません!ここは最外延のハルト市から避難を――」
1人の男性オペレーターが提案したが、その言葉を遮って大佐は、
「馬鹿者ッ!物体は高度3000㎞まで落下しているんだ!そんな悠長な事をしている場合ではないッ!貴様は第2第3駐屯地に、輸送ヘリ、トラック、輸送空駆艦を全て避難に回せと伝えろッ!!」
と言った。
すかさずオペレーターは了解!と言って作業に移った。
「物体、急速に減速していきます」
「ぬぅ……やはりこれはただの隕石ではないな……ガロー平原に落ちた物と同じ可能性が高い……」
大佐はそう分析していた。
「大佐、脱出の準備、整いました」
指令室に1人の男が入ってきた。
「うむ、了解した。後は指揮車両から指揮を執る」
そういって、大佐と数名のオペレーターは指揮車両へ移動した。
――市立大学――
ウーーー!ウーーー!ウーーー!
鳴り響く警報は、やがて職員の声に変わった。
《落ち着いて聞いてほしい。先ほど、隕石落下の為帝国陸軍第1駐屯地から緊急避難命令がヴァニスト地方全域に発令された。全校生徒は直ちに最寄りの教師やいる場合は帝国軍に従い、避難してくれ》
それだけで放送は終わり、辺りが静けさを取り戻した。
って、おいっ!
周りに教師も軍もいない場合はどうすりゃいいんだチクショー。
俺の周囲にいた3人の女子大生こ会話がふと聞こえた。
「ど、どうする?」
「どうするって言われても……」
「とりあえず、先生来るまで待ってみる?」
その会話を聞いて俺は思わず言ってしまう。
「すぐ出た方がいいって。いつ隕石が落ちてくるかわからないし、校庭には帝国軍のヘリもいるはずだしね」
「そうだね、じゃ、いこっか」
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