宵の鳶、風聞きの紫、鎖八番組夜話
宵の鳶、風聞きの紫、鎖八番組夜話
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発行者:桜乃花
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2010/11/06
最終更新日:2013/07/08 01:14

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宵の鳶、風聞きの紫、鎖八番組夜話 第1章 初宵 二つ目の力
朝から、雨だ。

笠で顔を隠せる分、私には、幸運だった。

私は、早速、床についたまま、全快の見込みの立たない仲間達を見舞い、その様子を観察した。

外傷も無く、敵と相対した訳でもなかった。

もしも、誰かに狙われているとしたら、その目的が分からない。

強いて言えば、上州に知り合いのあるもの、その地方で勤めを果たして来たものであった。

ただ一人、亡くなった黒くまだけは、上州とは関係ない勤めしかしていない。

ますます、敵の心は読めなくなってしまった。

しかし、鎖達の不調の原因だけは、何がしかの毒ではないかと、予想した。

皆、床に伏せてはいるものの、徐々に回復し始めていたからだ。

この者達の中からは、もう死者は出ないだろう。

考えるほど、敵の目的を見失う。

毒を飲ませたのなら、一気に、殺せたはずである。

だとしたら、鎖という組織に対する脅しなのだろうか。

私は、答えを出せないまま、帰途についた。

雨は、少し強さを増して、私の法衣を濡らした。

長屋に帰る途中、川に魚が浮いていた。

しかし、傷んだのを魚屋が捨てたのだろうと、余り気には留めなかった。

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