宵の鳶、風聞きの紫、鎖八番組夜話
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発行者:桜乃花
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2010/11/06
最終更新日:2013/07/08 01:14

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宵の鳶、風聞きの紫、鎖八番組夜話 第1章 初宵 二つ目の力
しかし、亀さんは守ったものの、幾本かは、私の鎖片平に当たって、カチリと音を立てた。

「大丈夫か?鳶。おまえだけは、何があっても生きるんだ。俺はいい。もしも追い詰められたら、亀さんも捨てろ。鎖なら、出きる筈だ」

私は、思わず、弦太郎さんを睨みつけた。

仲間を捨てることなんか、出きるわけないじゃないか。

しかし、いう間に、弦太郎さんは、刀を抜いて、私と亀さんの所まで戻って来た。

私も槍を抜き、身構えた。

怯える私達を見て、敵は油断したのか、高い屋根の上から、いつの間にか、街道に降りていた。

そして、静かに再度の攻撃の期を待っているようだ。

やがて刀が鞘を離れる音が聞こえた時、私は、自分の最後を予想した。

様々な方向から飛んでくる短剣を、すべてを払いきることは、無理である。

旅人がいる街道で、こんな事が起きるなんて。

彼らに危機を伝える事は出来ないか、私は背後に目を向けた。

何かを感じて隠れたのか、彼らの姿は、すでにそこにはなかった。

私は、逃げろと叫ぶ弦太郎さんを無視して、その場に止まった。

弦太郎さんの目を見返すと、勇気が湧いて来た。


私は、心の中で、叫ぶ。

さらばだ、紫、もう一度会いたかった。

弦太郎さんと、亀さんを囲み、必死で剣をたたき落とす。

弦太郎さんは、片平はを着ないと言っていたが、腕には鎧を付けていて、まだ傷ついてはいなかった。

「走るぞ、俺が残る、亀さんを背負って、思い切り走るんだ夜明けまで、耐えるんだ。明るくなれば、きっと何とかなる」

弦太郎さんは、目をむいてだんだん近づいて来る敵を睨み付けている。

「静がいる!俺は大丈夫だ。いけー!」

弦太郎さんの声に押されて、私は、亀さんを背負い、思い切り走った。

街道の左側に、神社が見える。

少しでも高台に登れば、私の目が生きる。

私は迷わず神社への石段を選んだ。

そこにはまだ、敵の姿はない。

私は、神社の社の中に、亀さんを隠し、すぐに弦太郎さんの元に急いだ。

石段を下まで駆け降り、見てみると、幾人かの敵を倒し、駆け回る弦太郎さんの姿が見えた。

しかし、走り寄るうち一本の短剣が太ももに刺さり、弦太郎さんの動きが止まった。

しかし、敵にも異変があった。

敵の背後から、味方の援護があったのだ。

見る見るうちに、敵は倒されていった。
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