封蓮貴~悲しい旋律~
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発行者:皇夜
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ジャンル:ファンタジー

公開開始日:2010/09/16
最終更新日:2010/09/16 16:05

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封蓮貴~悲しい旋律~ 第2章 第1夜 依頼
「ちょっと兄さんに聞きたい事があって」

「聞きたい事?」

本当に珍しいな、と翠は首を傾げながらも、話を聞く体制をとった。

「うん、兄さん、確か霊属性について詳しかったよね?」

「うん?お前だって詳しいだろ」

なんたって、お前はこの家の秘蔵っ子なんだから、と茶化す翠を「兄さん」と一言咎め、話を続ける。

「僕の知識じゃ、お手上げなんだ」

「お前でお手上げって…」

一体何だよ、と先ほどまで穏やかだった目が真剣みを帯びる。

「今、依頼を受けてるのは耳に入ってるよね?」

「あぁ、確かお前が通ってる学園だっけか。
依頼内容を見た限りじゃ、そう難しいものじゃないと思うんだがな」

「依頼内容は、ね。実は、今日現場に下見に行ったんだ。そこでちょっとおかしなことがあって」

「おかしなこと?何があった?」

「霊気が酷く充満してるんだ。なのに、霊の姿どころか、霊の気配すらない。
今カガミに調べさせて入るんだけど…兄さん何か知らない?」

「……霊気の質は?」

「え?」

問われた問いに、一瞬動きを止める。
しかし翠はそんなことは気にしないで先を促すように愛羅を見つめた。

「…霊気にしては冷たくはなかった。重み…圧力はあったけど」

「…成る程な」

納得した、とでも言うように呟く翠に、愛羅は首を傾げた。

「兄さん、何か知ってるの?」

「愛羅、それは、もう霊気と呼べるものじゃない」

「―どういうこと?」

「簡単に言えば、霊気と妖気の中間か」

「…ますます分かんないんだけど」

時々こうして遠まわしな言い方をする翠。
どういう意味があるのか、愛羅には検討はつかなかったが、こういう言い回しをする翠は、どことなく畏怖の念を感じさせる雰囲気を纏う。

「つまりだ、そこにいるのは、ただの霊じゃないってこと」

「え、それってつまり……」

「そうだ」

ニィッと不敵な笑みを浮かべて、翠は告げた。





「怨霊だ」
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