封蓮貴~悲しい旋律~
第2章 第1夜 依頼
「今日はありがとう。月花、カガミを連れてゆっくり休んで」
「マスター…ありがとう」
嬉しそうな笑顔を浮かべ、カガミを連れて還った月花を見送った後、ゴソッと綺麗な赤、緑、蒼、黄、紫の5種の球が填められたペンダントを取り出した。
「……我希う、血の契約の元に我の前に姿を現し、我に力を与えよ!!」
呪を唱えペンダントを前に翳すと、パァァッとペンダントが光り、2人の少年と3人の少女が姿を現した。
「はぁい、愛羅。久々ねぇ」
赤髪で紅眼の少女はニカッと笑って。
「僕達を呼ぶ、と言うことは、今回何か厄介なことでも?」
緑髪で若葉色の瞳の少年は、コテンと首を傾げ。
「俺達全員呼ぶほどのことなのか?」
蒼髪で氷蒼の瞳の青年は腕を組み。
「私達、頑張りますよ」
金髪で金眼の少女はやる気満々で。
「……愛羅、やっと呼んでくれた」
紫銀髪で紫眼の少女は嬉しそうに。
それぞれがそれぞれの表情で愛羅の前に立っていた。
「皆、来てくれてありがとう。今回、かなり高位の“術士”が関わってて厄介なことになってるんだ」
力を貸してくれる?と愛羅が問えば、5人とも「勿論」と快く言った。
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