封蓮貴~悲しい旋律~
封蓮貴~悲しい旋律~
アフィリエイトOK
発行者:皇夜
価格:章別決済
章別決済は特定の章でのみ課金が発生いたします。
無料の章は自由にお読みいただけます。

ジャンル:ファンタジー

公開開始日:2010/09/16
最終更新日:2010/09/16 16:05

アフィリエイトする
マイライブラリ
マイライブラリに追加すると更新情報の通知など細かな設定ができ、読みやすくなります。
章一覧へ(章別決済)
封蓮貴~悲しい旋律~ 第2章 第1夜 依頼
一度屋敷に戻ってきた愛羅は、すぐに自室に向かった。
途中誰かに呼び止められた気がしたが、カガミのことでいっぱいで足を止めはしなかった。

バタンッ

扉を勢いよく閉めるとカガミを布団の上に寝かせた。

「カガミ……」

「マスター、大丈夫よ。さっきも言ったけど、魔力を大量に放出して気を失ってるだけ。力が戻れば、元気になるわ」

「……だが、カガミは高位の妖魔だ。魔力もかなりあるはずだぞ?」

焔の言う通り、カガミは妖魔の仲でも高位に属し、それに伴って魔力の量も半端ではない。
普通なら、こんな風に倒れるなんて事態は起こらないはずだ。

「……あの糸だ」

ボソリと呟かれた言葉に焔と月花は真剣な顔つきになった。

「封魔の術式が施してあったな」

「それも…かなり強力なものね」

「……封魔の術式は術者の力によって5段階位に分けられる。…あれは、多分かなり高等な術式だ」

「…術士が関わってる、厄介なことだな」

焔は溜息を深く吐きながら寝そべった。

「焔?どうしたの?」

寝そべった焔を心配そうに見つめる愛羅に、焔は尻尾を軽く振り

「少し彼ただけだ」

ちょっと寝る、と寝てしまった焔に呆れた様に笑う。

「マスター…今回の件、あの方達を呼んだほうが良いわ。悔しいけど、私やカガミじゃとても太刀打ち出来ない。私たちは、役立たずよ」

「そんなことない、月花もカガミも十分力になってくれたよ」

悔しそうに、そして悲しそうに告げる月花の頭をヨシヨシと撫でながら微笑む。
彼女たちは十分力になってくれた。
だからこそ、今回“術士”が関わってるのが分かったのだから。
19
最初 前へ 16171819202122 次へ 最後
ページへ 
TOP