私も、初老に入った。
税理士としての顧問先だけでなく、独立希望者や借金にあえぐ経営者の相談に乗ってきた。
私自身も人生プレイヤーとして人並みの苦しみ(家庭・死別・金銭面)を味わってきたわけです。
多くの経営者を見てきた。
つまるところ、経営者にとって一番大事なことは何なのか?
ノウハウか?巷にあふれる情報商材を買えばやっていけるのか? 違う。
人脈か?どこへでも名刺交換すればよいのか?違う。
親が資産家ならどうだ? これも違う。
経営者が失敗する最大の原因は、ノルアドレナリンの過剰漏出によることはわかっている。
具体的にはスタッフを怒鳴り散らすなど。また、それは劇薬だから身体にもよくない。
そうなる原因もわかっている。
余裕の無さだ。『追い詰められている』状態。
それでは、どういうときに追い詰められるのか?
忙しい時、緊張状態が続く時、お金がない時、疲れた時。
恥をかいた時、失望した時、不安・孤独・悲しみが強い時。
こういう時、私たちは納得の行く判断ができない。大病する。
中小の経営者は、多くの場合 営業マンや工員を兼ねている。
プロレスラーや野球のトップを考えればわかりやすいだろう。
実際の一選手としての仕事だけではなく、お金の問題、部下の問題、・・毎日毎日決断を
要求される。忙しいのだ、ストレスも大きい。
ここで悪魔が囁く。
『お前はもっとできる。事業を拡大せよ。もっと店を増やせ。彼女も増やせ。』 と。
一店舗で例えば、歯科医院を開業し当たった。 ⇒ 二店舗目・三店舗目 借金して スタッフを雇う・・・
家賃・借金返済・(ということは)税金も多くなる。 セクハラ事件、患者とのトラブル、金の使い込み、同時退職など
ますます忙しく、てんやわんや。
イライラして奥さんを怒鳴る・・奥さんもお嬢さん育ちで・・・
経営そのものは難しいものではないと思う。
資金繰り・営業・ちゃんとした仕事・節約さえできれば大丈夫なのだが・・・
浪費や人的トラブルで事業はストップする。
売上が大きくなることと成功は違う。
成功と幸福も違う。
再掲
忙しい時、緊張状態が続く時、お金がない時、疲れた時。
恥をかいた時、失望した時、不安・孤独・悲しみが強い時。
忙しくしない。量的向上心を持たない。資金繰りを毎日見る。
しっかり休む。メンタル・フィジカルに余裕を持つ。少し先のことも考える。
相続税の心配をする前に、きちんと休み・栄養を取り・ぐっすり休んで。
最近、若き成功者が多忙とストレスで急逝する報に接する。早く死ぬことが悪いとは思わないが
還暦を経て思うこともあるはずだ。
ポジティブで行動的であれと言われる。
確かに成功者は苦難を物ともせず楽観的思考で過労するほど働く。
頑張ることは尊い。
だが、積極的に休むのだ。
出口戦略のない拡大路線は、あなたの事業を危機に誘う可能性が高い。
幸せは疲労や不自由とは相容れない。
休もう。
それがあなたのビジネスを継続させる。