石ころサインがダイヤの原石に変わる
第1章 「サイン」というものの存在意義
昭和の時代が終わり、平成元年、JRAは、「好奇心100パーセントの競馬です」をキャッチフレーズとして新たなスタートを切る。
サインが荒れ狂う!
100という数字が多くのレース結果のキーワードとなって活躍したのを記憶している。
JRAが競馬の将来像について、意を決したように大きく舵を切ったのもこの平成に入ってからである。
昭和天皇の喪に服すという意味で、3年の歳月を挟み「馬連」の発売開始に始まり、今や、「馬単」、「3連複」、「3連単」、そして「WIN5」という流れで、「射幸心を煽らない」ことを基本理念したはずの昭和の競馬が「射幸心いっぱい」の大変身を遂げたのである。
サイン競馬ブームが一応の成功を収めたこと、武豊という騎手が多くの女性ファンを取り込んでくれたことが、JRAが新たに目指した競馬像の推進力になったことは言うまでもない。
呼応するようにJRAは「サイン」を送り続ける。これでもかというくらいの無数のサインが散りばめられているのが現状だ。
私は総称して上記サイン群を「石ころサイン」と呼ぶが、中でも、誰も正確な解析を施されていないが故に20年以上も前の内容が、今も現役で活躍しているのが少し腹立たしい(笑)。
私はこの書で読者の方に「石ころサインをダイヤの原石に変える」方法論を伝えようと思う。
多くの直近でのレースを題材に解説するつもりでおりますが、まずは基本編をよく理解してから読み進んで頂きたいと思います。
もちろん今回、活字に起こすことは「使われなくなるリスク」と裏表の関係にありますが、「舐めるなよ!JRA」の気持ちから、サイン競馬ファンを後押しする一冊にしたいと考えております。
2