珈琲ゼリー  ~ほろ苦オフィスラブ~
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発行者:すみれ
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2010/09/16
最終更新日:2010/10/02 00:27

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珈琲ゼリー ~ほろ苦オフィスラブ~ 第7章 本当の気持ち
「ありがとうございます。なんか、すごい……」



私がそこで言葉を止めたので、主任はちらりと顔をあげて私を見た。

きっと私は、このうえなく幸せそうに、にやけていたに違いない。

私の顔を見た主任は苦笑いをして、お品書きに再び目を向けた。


「『すごい』、なんだ」

「あの、すごい、嬉しい、です」


にやけ顔がとまらなかった。

頬が熱くて、きっと今の私、情けないにやけ顔になってしまっているはず。

照明は、イスの下の間接照明と、テーブルを照らす細いスポットライトだけだから顔が赤いのは気付かれないはずだけれど。



「悩んでるんじゃなかったのか」

主任がお品書きに目を向けたまま、片方の口の端をあげて、皮肉っぽくそう言った。

「悩んでいますよ、すっごい」

私もにやけ顔を隠すため、もう一冊のお品書きを広げて、そう答えた。



「そうは見えないんだがな」

「悩んでいます。でも今は、嬉しいんです」

その会話の間も、2人の視線はお品書きに向いたまま。

そして、主任がまた、ぽつりと言った。



「やっぱりノーテンキだな」




私は、すごい単純な人間だ。

改めて自分でそう思う。

さっきまであんなに悩んでいたのに、今はこんなに心が浮き足だっている。

まだ問題は何一つ解決していないのに。



でも、今だけは許して。

幸せな時を過ごさせて。

これから聞く、現実を思い知らされる前に
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