珈琲ゼリー  ~ほろ苦オフィスラブ~
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発行者:すみれ
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2010/09/16
最終更新日:2010/10/02 00:27

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珈琲ゼリー ~ほろ苦オフィスラブ~ 第6章 夢かうつつか
主任からの答えは、髪を乾かし終わった頃届いた。

『あいている。仕事終わったら俺の車でいいか?』

一瞬、『あいている』のところを、『あいしてる』と見間違えた私は、舞い上がり、パニックになりかけた。

そして、五分後、そんな自分にかなり落ち込んだ。





『あいしてる』かぁ。

そんな言葉、本当にいただけたらどんなに幸せだろうか。

私はパソコンの入力をしながら、ちらりと斜め前の主任に目を向ける。



今日のネクタイは、さわやかなライトグリーン。

真剣な表情で書類に目を向けている。真剣な表情がサマになるなあ。

以前、主任の机の机を拭いている時に、ちらりと書類を見てみたことがあるけど、難しすぎて、私にはさっぱりわからなかった。

「美村」

「は、はい!」

ふと、主任の視線が私に向いて、私は数センチ、体を飛び上がらせた。

「この書類の入力を頼む」

「あ、はい、わかりました」



一緒に仕事できるだけで、幸せ。

私のこと好きじゃなくても、幸せ。

そう、だったのに。
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