珈琲ゼリー  ~ほろ苦オフィスラブ~
珈琲ゼリー ~ほろ苦オフィスラブ~
成人向アフィリエイトOK
発行者:すみれ
価格:章別決済
章別決済は特定の章でのみ課金が発生いたします。
無料の章は自由にお読みいただけます。

ジャンル:恋愛

公開開始日:2010/09/16
最終更新日:2010/10/02 00:27

アフィリエイトする
マイライブラリ
マイライブラリに追加すると更新情報の通知など細かな設定ができ、読みやすくなります。
章一覧へ(章別決済)
珈琲ゼリー ~ほろ苦オフィスラブ~ 第5章 告白
「……いや、俺は酒が弱いからな」

主任は、そう言って、自分につけたオレンジジュースを持ち上げて、これを飲む、と無言で示した。


開け放っていた窓の外を、轟音を立てて、飛行機が飛び去っていく。

ヒラヒラとゆれるカーテンが、私の足をくすぐった。

柚子のお酒は、すばらしくおいしかった。

お酒が大好きな私は、あっと言う間に、その瓶を半分以下に減らしていた。



酔いが回ったみたいで、頭がクラクラする。

きっと、あの日の主任も、こんな感じだったんだろう。

予感はきっと的中だ。



……きっかけなんて、どうだっていい。

主任に近づけるならば。

そう思って、考えないようにしていた。



『 酔っていたとはいえ、すまなかった。ちゃんと責任はとる。だから、なかったことになんてしなくていいから 』



その言葉の意味。


ちゃんと考えたくなくて、考えないようにして、舞い上がって、はしゃいで。

私のこと、本当に好きじゃなくてもいい。

私は、大好きだから。そばにいられるのなら、それでいい。

でも時間が経てば経つほど、距離が近づけば近づくほど、その言葉は重く私にのしかかる。
55
最初 前へ 52535455565758 次へ 最後
ページへ 
TOP